小川 洋平

『〇〇〇〇 is king』経営者なら知っておきたい重要な言葉

こんにちは(^^)

経営者のキャッシュを増やし、資産を増やす社外CFO、ファイナンシャルプランナーの小川です。

サムネの○○○○に入る単語、あなたはわかりましたか?

この言葉、経営者さんならば是非知っておいていただきたい超重要な言葉です。

今回は回答とその意味について解説させていただきます。

1.○○〇〇の答え

さて、早速ですが問題の解答です。

「Cash is king」

これが正解です。

この言葉は、経営においては何よりも現金が重要であることを語っています。

企業経営において、売上高や利益の大きさよりも、現預金や流動性の高い資産の多さが企業の存続を決め、更には資産の最大化のために重要であると考えられています。

この言葉を知ってから5年が経ちますが、実戦経験を積めば積むほどこの言葉の奥深さと重要さを実感しているところです。

では、なぜこのように考えられているのか、解説していきましょう。

利益があっても倒産してしまう黒字倒産とは?

一般的に「倒産」と聞くと、会社の経営が悪化し赤字が続いた結果、資金繰りに行き詰まり倒産するイメージを持つ人が多いでしょう。しかし、実際には「黒字倒産」といって、会計上は利益が出ているのに現預金が不足してしまい倒産するケースが少なくありません。

黒字倒産は、企業の損益計算書(P/L)では黒字でも、現預金(キャッシュ)が足りなくなり支払いができずに倒産することを指します。なぜこのようなことが起こるのでしょうか?

売掛金の未回収・回収遅れ
売上が発生しても、取引先が代金を支払うまでに時間がかかると、その間の資金繰りが厳しくなります。特に、取引先が倒産したり支払いを遅延させたりすると、売掛金が回収できずに資金不足に陥ることがあります。

これは売上発生の時期と回収の時期のズレが要因となっています。

ここで問題ですが、とある製造業の会社が1月に作業をして納品した品物があるとします。1月末日に請求書を発行し、2月末日に入金した場合、売り上げは1月と2月のどちらに計上されるでしょう?

正解は、1月の売上となります。

1月の段階で売上は発生しますが、まだ現預金で回収ができておらず、「売掛金」という名目で貸借対照表の「流動資産≒1年以内に回収できるお金」に残ることになります。

しかし、一方で外注さんに頼んだり、社員さんが仕事をした分については売り上げが入金されるよりも前、当月~翌月に給与や外注費の支払いが発生することが多く、売掛金を回収する前に現預金が出て行ってしまうことになるのです。

この場合、帳簿には1月に売上が計上されていますので、まだ売掛金を回収できていない状態であっても経費を上回れば利益が出ている状態となり黒字となるわけです。

こういった売上発生や売掛金回収、支払いのスパンの都合で資金不足に陥ってしまうことも多いのです。

・売上回収までのスパンが長い取引

また、「手形」で支払いを行う会社もあり、売上金を回収するまでに3ヶ月~6カ月程度かかるようなケースもあります。

このとき、手形は金融機関に持ち込むことで期日前に現金化することができますが、残存期間に応じて手数料が発生してしまうことになります。

中には3ヶ月後に支払われる手形の割引料が3%程度で設定されていることもあり、早く現金化したい場合には本来受け取れる金額よりも3%引かれた金額が手元に入ることになり、仮に1,000万円の売上だとしたら30万円もの手数料が発生してしまうことになります。

資金繰りに困った時によく使われる方法

資金繰りに困るときによく使われるのが「オーナーズローン」と呼ばれる、事前に金融機関に借入枠を用意してもらい、カードでその都度審査を受けずにいつでも銀行のATMから借り入れを起こすことができるようなローンを利用することです。

これが言わば「経営者のための消費者金融」みたいなもので、金利は年利換算で14%程度など高く設定されていることが一般的です。

また、手形割引で早く現金化しようとすると、3ヶ月で3%差し引かれるということは、年利14%という高額な手数料を払う金利と同様に会社の利益を減らし、キャッシュを減らしてしまう行為と言えますのでできるだけ使わない方がよいでしょう。

また、ファクタリングという売掛金の現金化サービスなどもありますが、5%~10%などの手数料が発生することが一般的です。

手元の現預金が無いとこのようなサービスに頼らざるを得ないようになり、結果として高い手数料を払わされることになります。

以前私のコラムでも紹介しましたが、こちらのサービスもファクタリングのサービスの一種で、クレジットカード払いにすることで支払いを1か月~1か月半程度先延ばしすることができますが、その反面通常4.4%(下記コラム内のリンクからだと割引されます)という高い手数料を支払わなければならず、マイルを貯めてそれ以上の価値として使いたいという戦略的な理由であれば是非活用していただくと良いと思いますが、単に資金繰りを改善したいからという理由では超高金利の借入をしているようなものですからなるべく利用は避けたいところです。

こちらのサービスを利用されてる方の中にはマイルを貯める目的ではなく、資金繰りに困っていて単に支払いを先延ばしにしたいという目的で利用される方も多いようですが、結果的に回収できるお金を減らしてしまうことになりますから長期的には利益を圧迫し、現預金を減らす結果になってしまいますので、根本的な財務体質の改善が急務と言えます。

キャッシュリッチな経営は融資を有利にする

金融機関は財務諸表で企業を「格付け」し、融資の条件や可否の判断は7割財務諸表を元に行います。

注目される項目はしっかり利益を残すことができているのか、利益だけでなく現預金を残すことがでてきているのか、未払い金や買掛金、短期で返済予定のお金に対して現預金や流動資産に余裕を持てているのかなどの項目から判断します。

シンプルに伝えれば「貸したお金を返してもらえる確実性がどれだけ高いか?」で判断します。

当然、手元の現預金に余裕を持てていればそれだけ返せる信頼性も高いので低金利で貸してもらうこともできるわけです。

融資を有利な条件で受けることができれば使うことができるお金に余裕を持つことができ、より事業を成長させたり、コロナ禍のような万が一が起きても手元の資金にゆとりを持つことができピンチをしのぐことができるわけです。

結論:豊富な現預金を持つことが利益を伸ばすことになる

余計な在庫は持たない、できるだけ現預金を早く回収することができるように交渉するということは当然ですが、やはり言えることは現預金を豊富に持つことで資金繰りの悩みから解放され、オーナーズローンや手形割引、ファクタリングなど年利換算したら高額なコストになるサービスに頼る必要が無くなります。

仮に6カ月先に回収できる手形での支払いというような条件で魅力的な単価の仕事を受けることができるのでしたら、6カ月間入金が無くても問題無いくらいに現預金に余力があれば仕事を受けることができるでしょう。

そして、有利な条件で融資を受けることができれば設備投資や事業拡大のために投資することができるようになり、事業の成長を加速させることができます。

しかし、本来大事な現預金を保有するということに対して、実は逆行したことをやってしまっていることも多いものです。

ムダな節税はやめる

代表格として挙げられることが「節税」です。

利益が出そうだからと車を買ったり、生命保険で支払った保険料を損金として計上することがこの代表格として挙げられます。

たしかに利益を圧縮することで目先の税金を安くすることは可能ではありますが、本質的には「モノ自体が必要か?」で判断すべきことです。

新たな事業展開のために車が必要で、利益が出ているときに購入し減価償却費で利益を圧縮し税金のキャッシュアウトを遅くしたり、社長に万が一があり売上が減少してしまった場合の自体を必要としていて契約するならば良いでしょう。

しかし、そうではなく目的が節税になってしまうと、重要な現預金をわざわざ自分から減らしてしまう行為をしてしまうことになります。

利益を圧縮するということは、つまり利益を減らしてしまうことですので、利益を削ることでわざわざ「儲かってない会社」、銀行から見れば返済する余力が少ない会社を演出してしまうことになります。

こういった理由から、税金を払ってもしっかり利益を残し、現預金を会社に残した方が結果的には経営者さんの資産を増やしつつ、経営の安心を実現することができるのです。

貯蓄系の保険、金融商品等の保有は要注意

また、貯蓄系の保険を契約したり、金融商品を保有することも注意が必要です。

その理由は『Cash is king』の言葉を思い出してもらえればわかることです。

例えば、近年では高い利回りの投資信託や投資性の商品を活用した資産形成、資産運用が広まってきました。

しかし、金融商品では3%~5%程度が妥当なところで、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットでも年利20%程度の運用実績となっています。

一方で、事業への投資は2年で投資元本を回収することもできる、年利50%~100%にもなるような投資も可能です。

金融資産への投資と事業への投資はリターンのケタが違うのです。

ですので、経営者にとっては下手に保険商品や金融商品に投資して運用のリターンを狙うよりも、より多くの融資を受けて事業を拡大した方が利益は大きく、経営を安定させて安心して経営することもできるようになります。

現預金が豊富にあり、もう事業を大きくすることを考えていないようでしたら、現預金は最低限の運転資金程度だけ保有し金融資産で保有し、退職金等で受け取った方が良いでしょうが、そうでなければ基本は流動性の高い現預金で保有し、より会社を大きくするために使った方が良いのです。

もちろん、ある程度余裕があり、社員さんの福利厚生のために保険や投資信託等での資金づくりを行う分には選択肢として考えることも大切ですが、安易に判断し契約することはしないようにしましょう。

キャッシュを最大化することで更なる成長と経営の安定を実現

今回は『Cash is king』の言葉について掘り下げて解説をしてみました。

資金繰りに不安を抱える経営者さんはとても多いものですが、以外と節税商品や保険商品などを財務戦略を考えないまま契約してしまっているようなケースが多数見受けられます。

会社にとっては現預金を多く残し、更なる事業の成長のために保有することが結局は会社の純資産という形で社長自身の資産を増やし、経営の安心に繋がります。

『Cash is king』

中小企業経営者にとってはこの言葉がほとんどの場合最適解です。

しっかり利益を残し、現預金を残せる経営を行っていきましょう。

とは言え、数多くの決断をしなければならない経営者さんにとって、特に不慣れな節税や、金融商品や保険商品を提案された際に常に最適な決断ができる自信が持てないといった方も多いのではないでしょうか。

そんな経営者さんに向け、このような顧問サービスを提供しております。

初月無料で支援しておりますのでどうぞご覧ください。

そして、次回は「キャッシュを残す節税」についてお伝えしたいと思いますのでお楽しみに。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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