【FP対談企画第12弾】ロボアド対談 ver.2

FP対談企画 確定拠出年金相談ねっとFPが本音で語る VOL.012

AIを用いてプロ並みの資産運用が手軽にできると話題のロボアドですが、いったいどういいの?どこがいいの?違いはあるの?ということを、認定FPが運用会社に突撃取材してきました!さぁ、FPのオススメは?

※当コンテンツは各FPの個人的な感想です。あくまで参考として楽しんで読んで頂けますと幸いです。
【Youtube】FPが本音で語る!【第12弾】ロボアド対談 ver.2

参加者

山中 伸枝
ではよろしくお願いします。
前田 菜緒
お願いします。
林 智慮
お願いします。
青山 創星
お願いします。
山中 伸枝
今日はロボアド対談パート2ということで、前回ロボアドの対談の後、色々なところに皆さん取材に行かれたんですよね。ロボアドを実際にやってらっしゃる業者さんに行って、色々お話を聞いたということで、まずは調査報告から青山さん。ちなみにこちらの僕ちゃんをご紹介してもらってから。
青山 創星
青山です。これは何かというと、若い方はご存知ないかもしれないんですが、鉄人28号というロボットなんです。アトムは知っていてもこれは知らないかもしれないんですが、実はここにいる金田正太郎君という子が、リモコンを操縦して動かすというロボットなんです。悪人をこれが退治するんです。何故ここに私が置いたかというと、ロボアドの運用はまさに鉄人28号とそっくりなんです。何かって言うと、どんな運用してくれるかっていう機能はこのリモコン、これにかかってるんです。優れたリモコンかどうか。こういった仕組みを作ったりして、裏でそれを操っているのは人間、つまり正太郎君なんです。
山中 伸枝
正太郎君がキーマン!
青山 創星
この人が悪者だと大変なことになっちゃう。そういう意味です。そういうことを考えながら今回は3人で取材をしてきました。
山中 伸枝
楽しみです。是非教えてください。
青山 創星
3社回ってきました。楽ラップ、楽天証券。それからTHEO(テオ)、お金のデザイン社。それから投信工房。
山中 伸枝
松井証券さん。
青山 創星
松井証券。この3社回ってきました。
山中 伸枝
取材協力ありがとうございましたって感じですね、皆さん。
青山 創星
我々の色んな問題意識、それぞれ三人三様の問題意識を持っていて、例えばロボアドサービスをやる、始めるにあたって、どんな思いで始めたか。
山中 伸枝
始めた人達が。作った方たちが。
青山 創星
それからどんな人を対象にしているのか。その対象とするターゲットによっては入りやすい人もいれば、入ってきにくい人もいるだろう。
山中 伸枝
やっぱ、あれですか。三者三様でしたか?
青山 創星
そうですね。三者三様ですね。
山中 伸枝
一口でロボアドといっても色々だっていうことですね。非常に興味深いです。
青山 創星
私のすごく興味があったのは、どんな運用を実際のところしているのか。それにすごく興味が。
山中 伸枝
正太郎君がどんな人か。なるほど、正太郎君ね。
青山 創星
リモコンが運用手法で、正太郎君がそれを操るロボアド各社さんです。特に気になったのは、(リモコンを持ち上げて)ここです。
山中 伸枝
リモコンが気になった。
青山 創星
リモコン、つまり運用手法です。そんなことを3人で取材してきたので、それぞれ色んな観点があると思うんで、これから…
山中 伸枝
そうですね。まずは取材報告からいきますか。じゃあ前田さんから取材方報告をしてもらっていいですか?
前田 菜緒
はい。では、楽天証券の楽ラップから。楽ラップが買い付ける金融商品は投資信託なんですね。楽ラップ以外の有料ロボアドはETFを買い付けるところが多いんですけど、楽ラップの場合、投資信託です。ですから、何で投資信託なんですか?お伺いしたところ、ETFだと為替のリスクがあるからということでした。投資をしている方は日本に住んでいる方なので、為替リスクがあるETFでは運用しないとのことでした。
山中 伸枝
じゃあTHEOと投信工房さんは、海外ETF?
前田 菜緒
投信工房は投資信託です。
山中 伸枝
THEOが海外ETFですね。それと比較すると日本の投資信託を使ってる楽ラップは為替リスクを排除することができるよと。分かりました。
前田 菜緒
そう言った点で、かなり投資初心者向けの目線で運用されてるんだなという印象を受けました。実際、楽天証券さんのホームページって使いやすい。勝手が分かりやすいと思います。一方、THEOなんですけど、こちらは買い付けタイミングなどにもすごくこだわっていて。

前田 菜緒

山中 伸枝
海外ETFですからね。
前田 菜緒
はい、為替の差に徹底的にこだわるため、ニューヨークの市場が開くまで会社に残って、買い付けタイミングを考えると仰っていました。
山中 伸枝
ってことは買い付けタイミングを決めるのは会社に残っている人達。
前田 菜緒
はい、決めるのは実際、人間です。それ以降はロボットに任せるそうなんですが。冬だとニューヨーク市場が開くのが23時とかになるので、かなり遅くまで残っていらっしゃるんだなというとこで、すごくこだわりを感じました。
山中 伸枝
つまりETFだから、1秒1秒値段が変わっていくので、その買い付けのトレンドなどを見ながら決めていく。
前田 菜緒
ETFの場合上場されているので、取引所で取引されてますよね。そうするとその時々のプライスが立っていて売値と買値、オファーとビッドが立つんです。何も考えずにやるんだったら、買いたいっていう時は売りたいっていう人の値段、オファー、つまり高い方の値段だったらすぐ買えちゃうわけです。それやれば簡単なんだけども、そうやらずになるべくビッド、つまり安い方の値段に近いところで買えるような、そういうことを夜遅くまで残ってまでやってる。それはすごいこだわりだと思います。(実際の売買にはプログラムを使って自動執行しているとのことでした。その執行状況をしっかり見届けてから帰るとのこと。コストへのこだわりの強い姿勢を感じました)
山中 伸枝
それは意外というか、いわゆるロボってもっと自動的にやって、恣意的な判断はしないんじゃないのかなと思ったんですけど。日本語で言ったら、なりゆきなのか指値なのかみたいなところも、ちゃんと見てやっているよって。アメリカに上場しているETF、海外ではアメリカってことですね。それはでもやっぱり取材してみてみてってところが大きいですね。
前田 菜緒
はい、取材して初めてわかりました。松井証券さんの投信工房についても、得られた情報は大きかったです。こちらは、無料ロボアドということで、他の2社とは、ちょっと違うんですけど、ただ無料と言えども、レベルというか質はすごくいいなという印象を受けました。他社にはないところで言うと、リバランス積立ですね。積立をしながらリバランスしていくっていう。今特許を出願中みたいです。リバランス積立は他社にはない仕組みですし、それを無料で使えるっていうのは非常に魅力的だなと。
山中 伸枝
積立をしながらリバランスってことは、ちょっとボリュームが少なくなったところを、買い付けをすることによって徐々にリバランスをとっていくってことですね。違うもんですね。なかなかWebサイトだけでは分からない。
前田 菜緒
三者三様で面白かったです。
山中 伸枝
ありがとうございます。林さんはどういう印象でしたか?
林 智慮
楽天証券さんは先ほど言われた通り。
山中 伸枝
もうちょっと声が大きいほうがいいかな。
林 智慮
初心者でも入りやすい。なので、最初の質問ですね。ロボアドがこの人はどの投資信託良いかっていうリスク許容度を計るときの質問がやっぱり分かりやすい言葉なんです。専門用語を使ってないっていう。それはずばりっていうわけではなくて。
やはり楽天会員に向けたそこのくらいにレベルに合わせてくれた、そういう分かりやすい商品の出し方をしているっていうところが印象的でした。
あとTHEO、お金のデザインさんなんですけど、やはり今の若者たちが定期預金で積んで積立をするではなくて、こういうところで運用しながら積立をするっていうのがごく自然に、ごく自然な資産形成をするようにっていうそういう思いがあるんですね。若い人たちで向けてってわけではないですけれども、まずそういうものがあって、そしてやはりベンチャー企業さんです。若い方がいっぱいいらして、その方達が、自分達だったらこういうものが欲しい、そういうものを作っていらっしゃいました。だから、運用にしても、どんな運用してるか分からないっていうようなことがあるんですけど、GPIF にいらっしゃっる京大の加藤教授が監修されてて、もう間違いがないだろうっていうぐらいのものに仕上げていらっしゃるんです。
山中 伸枝
THEOは外部のアドバイザーで加藤先生って方の監修のもと、ポートフォリオ組んでるってことですか?
林 智慮
そういう外部の監修っていうことになりますと楽天証券さんがそうなんです。外部のアドバイザー、マーシャー(マーサー社)さん。
青山 創星
マーサー社さん。
林 智慮
舌噛んでしまいましたけど、に、やはりアドバイスを求めて、自分ところだけではやはり提供できないところは外部のところから力をもらって、最高の物を作るっていうところを各社やられてました。
そうして、松井証券さんもやはり手数料にとことんこだわっているところがありまして、多分皆さんご存知だと思うんですけど、松井証券がまず投資信託1回辞めた。人気が出てきたから始めたわけではなく、自分たちが扱ってもいいなと思える手数料の安いものが出てきたので、投資信託を始めたっていう流れがあるんです。
何にしても人の力によって手数料かかるところを、ロボアドバイザ—に任せられるところはとことん任せて、手数料下げるっていうことをやってらっしゃるんです。なので、リバランス積立なんかは本当にそれでやってしまうと、一任のロボアドバイザーと全く同じ機能になるわけです。それも無料でやって、直接対面で質問があるようなことでしたら、電話で問い合わせができるってことですよね。対面はないんですけど、やっぱり操作っていうところはちゃんとフォローがあります。それで、3社なんですけれども、今までのラップ運用っていうのに対して手数料。
山中 伸枝
高いしね。
林 智慮
高いの。それをすごくダメだって思っていらっしゃるところがありまして、Webサイトで手数料とリターンを開示してるんです。その他にもあって、2017年の8月1日の状態では7社がWeb上で全部開示してます。なので、少なくともこの3社プラスそこで開示してるところでしたら、自分がそこにいて大丈夫だと思えば始められてもいいんじゃないかな。

林 智慮

山中 伸枝
やっぱり情報開示ってキーワードですよね。確かに投信工房についていうと、松井証券さんって株の手数料をすごく下げたりとかして、ものすごく革新的な動きがあったじゃないですか。なのでもっと株、株の会社なのかなとか思ったんですけど、今投信工房については社長さんのメッセージがWebサイトで読めたりとか、随分「こういう思いでやってらっしゃるんだな」っていうのは感動するぐらいありますよね。そういう思いが出るのはいいですね。
青山 創星
さっき話がありましたよね。投信から一時期撤退せざるを得ないような状況だった。あまり手数料下げすぎちゃったんで、他の証券会社とかからの誹謗を受けたり、商品の供給がされなくなってしまったりとか、そういうところがあったんだけども、今ここのロボアドっていうのが出てきたことによって、あまねく広い範囲の人達にすごい利益を与えることができる。そういうタイミングだからここで参入するっていう風に言ってました。そこってすごい。
山中 伸枝
そのストーリーは目を惹きますよね。よっぽど酷かったんだろうなってところもありますけど、でも投信っていう仕組みはいわゆる私達一般投資家にとっては非常にありがたい仕組みですよね。個別株ってそんなに簡単に買えないし、少ない金額ではなかなか複数銘柄買えないですよね。青山さん、取材に行った感想ってあります?
青山 創星
今話があったようにそれぞれ三者三様思いが違う。
山中 伸枝
正太郎君も違うと。
青山 創星
正太郎君も違う。これがやっぱり一番重要です。つまりロボアドって私が良く言うのは、着ぐるみを着た人間なんです。中にいる人間が悪いピエロだったりする可能性があるわけです。
山中 伸枝
見えないだけに怖いし。
青山 創星
実際アメリカでは、ロボアドが提案してくる商品の中に、自社関連のところの高い手数料の投資信託を紛れ込ませていたりしたという事例があるらしいです。
山中 伸枝
腹黒いです、それは。ひどいな。
青山 創星
ロボアドだから客観的に見てくれるから大丈夫だよ、って安心してしまうのはちょっと危険があるのかな。
山中 伸枝
危険ですよね。分からないだけに。見た目すごくオープンな感じだけど、実はっていうところはそれは怖いですね。
青山 創星
それを見分ける一つとしては、やっぱり思いっていうのがちゃんとあって。
山中 伸枝
哲学ですね。
青山 創星
それを公表して、それに沿ったことをやってるかどうかっていうのを、やっぱり見てくっていう観点がすごく重要なんだなと思います。
山中 伸枝
いわゆる投資先というかポートフォリオとかそういった意味では、同じような感じで理解していていいですか?
青山 創星
さっき言ったようにTHEOは海外で上場されている投資信託、ETFを使っています。
山中 伸枝
アメリカに上場されている。
青山 創星
ETF自体の手数料がものすごく安いんです。それに対して、楽ラップとか投信工房で扱ってるものは投資信託なんで、それよりは若干手数料は高いということになります。
山中 伸枝
日本に上場っていうかオープン型の投資信託を使ってる。それは一般でも買い付けできる投資信託を組み合わせてるってことですか?
青山 創星
一般人向けに証券会社が扱っている投資信託ですから、個別にそれを買うことも出来るんです。
山中 伸枝
ファンドオブファンズってことですか?
青山 創星
ファンドオブファンズではなくて、(株や債券のインデックスに連動した)1本ごとの投資信託があるので、それをどれだけ買い付けるかっていうのを計算して買ってくっていうことです。ファンドオブファンズだとそういうのがパッケージング化された投資信託になっちゃってるので、二重に手数料かかるということなんですけど、そういうことではないです。
山中 伸枝
あくまでも個々の投資信託の組み合わせだと。
青山 創星
ただし、この楽ラップなら楽ラップ、THEOならTHEO自体がそういうサービスを提供するための手数料っていうのは別途取るわけですから、そういう意味ではファンドオブファンズ的な形です。
山中 伸枝
おさらいですけど、手数料ってどのくらいでしたっけ。楽ラップさんから上から順番にすると。
青山 創星
大体1%なんです。投信の手数料とそれから楽ラップを導入する手数料、合わせて約1%ぐらいに収まるような感じ。
THEOについても大体そんなな感じ。今の2つの会社っていうのは一任勘定っていうことでお金預けてそれで運用してもらうって形ですけど、投信工房の場合はアドバイス型なのでアドバイスしかしないので。
山中 伸枝
実際の買い付けは本人。
青山 創星
買い付けはアドバイスに基づいて本人がやっていくという形になるので、手数料がないんです、その部分の。上乗せ手数料なし、投資信託の手数料だけ。一番安いです。ただし、やっぱり他のに比べるとちょっとマニアックさが出てくる。そういうのはあります。
山中 伸枝
松井証券さんってアドバイス型っていうことは、アラートみたいな感じで、いちいち買って下さいねみたいなくるんですか?
前田 菜緒
買ってくださいねは来ないです。最初に投信工房君が選択してくれた投資信託がいくつかあって。
山中 伸枝
ABCDE
前田 菜緒
それを毎月同じ日に勝手に買い付けてくれて、買付ましたっていう報告はメールで来ます。
山中 伸枝
アドバイスといっても買付までは自動でやってくれる?
前田 菜緒
買付は毎月やってくれます、積立なので。
山中 伸枝
積立をしながらリバランスってのもやるんですか?
前田 菜緒
そうですね。やってくれます。
山中 伸枝
面白い。
青山 創星
私が3社回って特徴的だなって感じたのは楽ラップはTVT、さっきちょっと話がありましたが大きな下落が起きそうだっていうときに、それを防止するような仕組みを取り入れてるんです。あと、さっき出たマーサー社が運用についての助言をしてくれてる。ただし、これ企業秘密があって、この中の運用が実際どういう形になってるのかっていうのは分かんないんです。
山中 伸枝
それは開示されてない。
青山 創星
ただし、世界の名だたる機関投資家たちがここに助言を求めたりしてやってるということで、それを信じてくれということです。
山中 伸枝
その下落ショック軽減機能ってどういう意味ですか?10%マイナスになったら切っちゃうよっていう、ロスカット機能みたいなものなんですか?
青山 創星
ロスカットというよりも下落するような状況になったときには、ポートフォリオの内容をちょっと変えて、例えば債券を増やすとか、そのあたりもあまり詳しくは教えてくれないんですけれども、そういう下落に対応できるようなポートフォリオに切り替えていくというものです。
山中 伸枝
シグナルをキャッチしたら、株式を少し抑えて債券を自動的にやっていくような。
青山 創星
THEO(テオ)について特徴的だと思ったのは、指値注文をしたり、為替の手数料なしでやったり、そのために遅くまで残ってやったりというのがすごいなと思いました。ロボアドっていうと、皆さん思うのはAIだな、人工知能が運用してくれてるんだな、そういう風に思い込む人多いんですけど、実際には人工知能で運用してるわけではなくて…
山中 伸枝
正太郎がやってる。
青山 創星
正太郎が。人間が運用のやり方を開発してそれをロボット、つまりリモコンに覚え込ませて、それを人間=正太郎君が操っているという、ただそれだけなんです。そんなわけでロボアドは今風のAIではないんです。少なくとも今注目の最新のAIではないんです。ですから、THEOにAIアシストというAIの機能が付け加えられる予定だと聞いたので、どんなのだろうかと思ったわけです。多分この取材の後しばらくして発表があったんですけど、THEO AIアシストっていうのの発表があって、テキストマイニングっていうものを使って、これもさっきのTVTと同じ、下落に対応するような仕組みを入れたんです。テキストマイニングって何かというと、これはまさにAIがやっていることで、例えばネット上の相場の動きに関連するような…
山中 伸枝
キーワード。
青山 創星
そう。テキスト(文字情報)がある。それ拾ってきて、その中から例えば株価下落につながる言葉がたくさん増えてくれば、これは危ないかもしれないなと考えて、例えば債券を増やすとかしてリスクを下げる機能。
山中 伸枝
市場は結局は人間の心理で動くって言いますから。どこどこが下方修正したとか、あの新商品は良くないとかそういうのを見つけてくる。ビッグデータとAIの違いがよく分かんないんですけど同じですか?違います?

山中 伸枝

青山 創星
違いますが、どちらも最新のAIにとって不可欠なものです。AIっていわれるものがどういうことかというと、前回もご説明したんですけども、第1次、第2次、第3次AIブームがあって、一番最初のAIブームは1956年ぐらいから始まってるんですけども。その時は何かというと、色々な枝分かれする手順がありますよね。その枝分かれする手順を先々まで読んで、こうなったらこうなる、ああなったらああなる、色々な条件に応じてそれを色々やってみて、その中からベストはどれかっていうのを計算して選び出すっていうのがそのときのAIって感じ。
山中 伸枝
シミュレーションをして最適化するって感じですね。
青山 創星
第2次AIブームっていうのは、エキスパートシステムって言われてるんですけど、色々な分野のプロフェッショナルいますよね。プロフェッショナルの頭の中、それを全部書き出してルール化して、それをロボットの中に埋め込む。それがエキスパートシステムって言われるもの。
山中 伸枝
流派が出てしまいますね、そうしたら、何々流みたいな。
青山 創星
そうですね。色々な種類のプロがいるでしょうから。今起こってる第3次AIブームっていうのは、機械学習とディープラーニングとビッグデータ、この3つがキーワードなんです。
まず機械学習って何かって言うとプログラミング不要で色々なデータが与えられれば、そこからルールを自分で探していく。自分から学習していくよという、それが機械学習なんです。そのときのデータがビッグデータなんです。今、ネットが発達してるんで、色々なデータ、それからセンサーとかありますよね。そういったところからとれる。たくさんあるデータが自由にとれるよ。そのビッグデータがあるからこそ、こういう機械学習をして、その中からルールを見つけ出していくことができるよってこと。
更にディープラーニングって何かというと、機械学習をしていく中で特徴を捉えていかないといけない。学習した中でこれが特徴だなっていうのを探し出して、じゃあそこを深めて行こうっていう風になるんです。ディープラーニングでない単なる機械学習は、特徴は人間が捉えて「ここは特徴だよ」って教えてあげて、更に進んでくということだったんです。でも、特徴をつかまえることまでも機械が今自動的にやれるってのがディープラーニングなんです。これを応用してるのが今の囲碁のプログラムとかなんです。
山中 伸枝
機械が自ら学ぶっていうときに、例えばお友達と仲良くしようねとか、人のものとっちゃいけないよというような判断基準っていうのは人間が教えてるんですか?
青山 創星
判断基準は人間が教えないっていうのが第3次。
山中 伸枝
ディープラーニングですよね。やっぱり怖いじゃないですか。反逆されるじゃないですか。
青山 創星
例えば人類に危機が迫っていて、人類を半分を殺したら半分が生き残る可能性が高いよという場合。そういうのを選ぶか、全員死んじゃうかもしれないけども、全員を救う方向でやっていくっていう方を選ぶかっていったときに、人間だったら後者を選ぶ可能性がありますよね。人間、誰かを殺しちゃうなんてそんなことやりたくないなと思うじゃないですか。でも機械だったら合理的に考えれば前者、半分殺しちゃう方を選んじゃう可能性が…
山中 伸枝
アベンジャーズみたいな。この間観ましたけど敗北感です。ネタバレになりますね。ダメだ。なるほど面白い。
青山 創星
そう。怖いことが起きる可能性もあるよということ。あと投信工房については、さっき言ったようにコストを最重視してるということとリバランス積立が特徴的です。あとチャットサポートってあって、チャットで色々受け答えしてくれるんです。無料なんですけど、これなかなかいいんです。無料でここまでやるかって感じですね。ちょっと応答に時間かかるんですけど。
山中 伸枝
リバランス積立をつみたてNISAに利用できる。
青山 創星
これは素晴らしいです。
山中 伸枝
それはいいですね。つみたてNISAって枠の再利用できないから、積立でリバランスするしかないけれども、いいですね。
青山 創星
普通のリバランスだと売っちゃって空き枠は使えなくなってしまうので、なかなか出来ないんですけども、積立金額を調整してリバランスしていく。特許を今取得しているようです。
山中 伸枝
素晴らしい。ということは前田さんあれですか。こんな人にはどこっていうのがあったら教えてもらいたいんだけど。なかなか難しいけど。
前田 菜緒
ハードルの低さで言うとTHEOかなって思ってます。というのもTHEOってすごい色々な会社と連携していて、各金融機関さん、銀行さんとかもそうですし、JALさんとか、あと最近だとdocomoさんとかと提携してるらしくって、最近dポイントってお店に行くとよく見かけると思うんですけど、THEOで運用するとdポイントが貯まるそうです。あとdカードでおつり積立っていうのできるらしくって、おつりを自動的に貯めていって、THEOで運用していくというのがあるらしいです。そういった点でハードルを低くする工夫があるなと思います。
山中 伸枝
意識せず気が付くとお金が貯まってる感じ。
前田 菜緒
特にdポイントなんかだと生活に密着しているようなものなので、若い人が投資を初めやすいかなと思います。
山中 伸枝
THEOはいくらからでしたっけ?
前田 菜緒
積立は1万円からです。おつりだと何百円とかでできますし。
山中 伸枝
毎日のように投資ができちゃうって感じですね。
前田 菜緒
そうですね。ログインしたら、あれ、お金貯まってるっていうことが実感できるかもしれないので。ちょっとやってみたいなって思う人は、私はTHEOがいいかなと思います。
山中 伸枝
THEOがいい。林さんは?
林 智慮
ポイントといえば、楽天証券さんも楽天ポイントで投資ができるっていうのもあります。なのでポイント利用とかそういうことでなくて、本当に自分がお金を出してやらないと「運用する」とかいうことにならないと思うんです。なので参入するのが一番低いのは確かに松井証券さんなんです。
山中 伸枝
100円からね。
林 智慮
次だとTHEO。でもリターンから考えるとWealthNaviと、WealthNaviさんは今回出てないですけど、あとTHEOと楽ラップです。いいときで10~13%だったかな。去年の実績からみると、大体3社がそのあたりをいってるんですけど。松井証券さんはまだ結果が出てないです、まだやってないので。
山中 伸枝
発表されてリターンを比べると大体一緒ぐらい。
林 智慮
大体そうですね。データによるんですけど。
青山 創星
公表されてないんです。比較が非常に難しいんです。
山中 伸枝
ポートフォリオも違うしね。
林 智慮
簡単に比較するわけにはいかないですけど。
山中 伸枝
ベンチマークがあるわけじゃないしね。
青山 創星
1つ、QUICK資産運用研究所が2017年の7月現在で比較したものがあるんです。それで見ると、例えば一番リスクが低い水準で3社比べてリターン見ると、楽ラップが3.4%、THEOが6.7%、それから投信工房が2.1%。一番リスク高くとった場合、楽ラップは17.5%、THEOが18.7%、投信工房が5.1%ということ。但し、楽ラップとTHEOは1年ですが、投信工房のみ6か月の実績。この期間だけということと比較の基準(リスクの水準等)が違うので、これだけではどの成績がいいのかというのは一概には言えないです。
<参考サイト>ベールを脱いだ「ロボアド」草創期の実力を探る

青山 創星

山中 伸枝
一概には言えないけれども。
林 智慮
楽ラップとか、WealthNaviは10万以上行かないとダメなんです。運用ができないので、1万から1,000円刻みでつなぎができるっていうTHEOあたりが入りやすいかなっていうのがあります。そしてレポートもってこれるんです。アフターフォローしてくれるんで、それでやはりまずは興味を持って入ってみて、やっぱり知りたいっていうのが出てきたときに色々情報を与えてくれるって流れがあるので、そういうことも一つ、投資の一つだっていう考え方もできるんじゃないかと私は思います。
山中 伸枝
投資、確かにお金を増やすって確かにあるけど、自分も学ぶ。自分に投資っていうのもありますよね。ちょっとTHEO優勢な感じですね、今のところ。それぞれでしょうけど。青山さんは?
青山 創星
私は投信工房面白いなと。もともと松井証券さんは株のほう中心にやってるお客さんをたくさん抱えているので、その人たちには完全自動っていうのはあんまり多分やりたいって思う人は少ないかと思うんです。そういう意味からいってもちょっとマニアックな、自分で色々調整したりできるっていうの面白いかも。
山中 伸枝
客層もまた違うのかもしれないですけど。ターゲットがそれぞれ違いますね。
青山 創星
ただ投信工房さんのお話を聞いてたら、そういうターゲットだなと思ってやってたんだけども、株でやってる投資慣れした人がどちらかというと初心者向けの投資信託までわざわざやりに来ないということらしいんです。やっぱりロボアドの方は一般の人に範囲を広げていってるって、そんな話がありました。
林 智慮
今現在投信工房やってるのは、既存のお客さんのほうが多い。それは理由があるんですけども、株にお金いりますでしょ?その入れたお金はそれぞれFXとか投信工房とかあるんですけど、そこに流すことができる。ここにあるものをこっちに移動させてっていうような使い方ができる。
山中 伸枝
売却させたお金をまた移動させたりとか?
林 智慮
売却させて、ここで資金として持ってるものは共有できるんです。共有っていうか、こちらに流すことができる。この部分はこっちに流すことができるっていうので始めようかなと思ったときにお金をスッと流すってことが可能なわけで、なので元々ここでやってる人は、ここでやってみようかなと思って、やったらすぐには移動できます。ただやってみようかなっていう人が、やっぱり株で利益とりたいって人が積んでくってことを選ぶでしょうかっていう話なんです。
山中 伸枝
でもすごく色々面白いですね。といいつつも注意点もあるということで。青山さん。
青山 創星
実はアメリカがこのロボアドの先進国なんですけども、先進国でも色々な問題が最近起きてきているんです。例えばラップって言われるものが今まで日本でもありましたけども、あれの問題点として金融庁なんかが指摘してるのは、自社の関連会社とかが作っている投資信託、手数料の高いもの。それをたくさん使ってお客さんに損させてるんじゃないかと、
山中 伸枝
まぎれ込ませて。
青山 創星
言われてました。それと同じようなことがロボアドの世界でも起きたりしてるらしいんです。つまり提案してくるものの中にそういうものが紛れ込んでいて、お客さんにとって不利益になってしまう。そういったこともあって、アメリカのSEC(証券取引委員会)がロボアドを使う人たちに向けてアドバイスということで公表してるペーパーがあるんです。それ、4つ項目があって、どういう点を注意したらいいか。1つは人間のアドバイスっていうのはどれぐらいしてもらうことができますか?(ロボットと人間の組み合わせなので)ハイブリッド型とかよく言われてますが。
山中 伸枝
機械だけじゃなくて人間のアドバイス。
青山 創星
初心者なんか、これ必要な場合があると思います。2つ目は、質問の内容。各社各様で何の質問、どういう意図で聞こうとしているのかよく分からないとかもあったりしたんですけど、そういう質問はどんな内容で、どんな意図があるのかということ。3つ目は、提案してくるポートフォリオの内容、つまり運用の方法です。ここは私がすごく気になってるところなんですけど、それはどういうものなのかちゃんと確認しないといけないです。極端に言えば、ノーベル賞受賞の理論なんて言いながら、投資したこともないパソコンオタクの適当な理論ってこともありえます。そして最後の4つ目は手数料。これが投資信託の手数料の他にプラス上乗せがあって、それの更に上乗せになるようなことになってないかどうかとか、それもちゃんと確認しておかないといけない。こういう点を注意してくださいってことで出してるんです。
まだ今日本では始まったばっかりなので、金融庁なんかもここまで強いこと言ってないんだけど、多分これから色々なことがでてくる。
山中 伸枝
新しいものっていうのは、いいこともあれば悪いこともあるので。じゃあこちらは今のところ英語だけってことですね。
青山 創星
英語版です。
山中 伸枝
興味があればURLがこの辺には出る感じですか?この辺に。是非見てほしいということで。ちゃんとテロップ入るかな。分かりませんけど、URLはご紹介するということで。ロボアド面白いですね。これからも引き続き色々取材に行きたいですね。取材をご依頼しましたら、是非是非お受けいただきたいなと思います。
<ご参考サイト>Investor Bulletin: Robo-Advisers
青山 創星
是非。
山中 伸枝
やっぱりお話を聞いて、私たちもお伝えする事もまた言葉も変わってくるので、非常に今日も面白かったので第2弾、第3弾に向けて取材お邪魔させていただきます。
青山 創星
よろしくお願いします。
前田 菜緒
よろしくお願いします。
林 智慮
よろしくお願いします。
山中 伸枝
よろしくお願いします。じゃあ以上で終わりにします。どうもありがとうございました。
前田 菜緒
ありがとうございました。
林 智慮
ありがとうございました。
青山 創星
ありがとうございました。
山中 伸枝
お疲れ様です。取材行かなきゃいけないね。

対談動画

今回の対談に参加された皆さん

2018年8月27日