確定拠出年金の問題点

将来の年金額を保証する確定給付型の企業年金制度から、今社員に支払う積立額を保証したらそれで企業の責任が終わる確定拠出型の企業年金制度へ。

やれやれこれで肩の荷が下りた・・・なんて企業側が言ったかどうか分かりませんが、会社としてはある一定のホッとした感があったのは否めないでしょう。

でも、ここでびっくりしたのでは実際の運用責任を任された社員です。老後の生活資金を先払いするから、しっかり貯めてねっていきなり言われたら戸惑いますよね。

また確定拠出年金では、会社が拠出したお金を社員が自分の口座に積立ていくわけなのですが、その時いろんな金融商品を自由に選べるようになっています。ここがまた困ったところ・・・なにしろ、ほとんどの日本人は定期預金しかしたことないんですよ、それがいきなり投資商品も選べます・・・年金保険も選べます・・・選んだ商品によって将来の受け取り金額が変わります、頑張ってね!となったら誰もが困惑するのは当たり前です。

実際今確定拠出年金に加入していらっしゃる方の多くは、制度の有利さよりも戸惑いの方が大きいのではないのでしょうか?

確定拠出年金は加入者にとって、メリットが多くとても有利な制度なのですが、これでは本当に宝の持ち腐れ。もったいないの一言です。

確定拠出年金は、企業が拠出する金額は全額所得税の対象となりません。例えば、毎月給与の上乗せで1万円会社がくれたらそれは収入となりそこに所得税がかかりますよね。でも確定拠出年金の掛け金は、実質会社がくれたお金なのですが、収入とはならずしたがって所得税の対象になりません、ついでに住民税も。つまり、同じもらうお金であっても税金が「お得」なのです。

また運用期間中は運用利益に対して税金がかかりません。例えば預金の利息には20%の利子税がかかりますが、確定拠出年金のパッケージの中で定期預金を選ぶと利息をもらっても全く税金がかからないのです。タックスフリー、つまり「お得」なのです。

それから60歳になって受け取るとき。話が長くなるので端折りますが、一時金で受け取るときには退職所得控除に、年金として分割で受け取る場合は公的年金控除になります。つまり税金が安くなる特別なルールが適用され「お得」なのです

これだけお得な制度、本当はもっと活用されてしかるべきなのですが、なぜか日本ではそれほど活用されていません。なぜか?

私は確定拠出年金の加入者には、一人一人にファイナンシャルプランナーが必要だと考えています。だって、老後も心配ですが、今の生活:子供の教育費をどうしようとか、保険はどうしようとか・・・だから今の心配も将来の心配もまとめて面倒みてくれるファイナンシャルプランナーが制度導入と同時にアドバイスを提供する必要性があると。

こういう環境がないと確定拠出年金はうまくいかないのではないか!!と思い、確定拠出年金導入コンサルから加入者アドバイスまですべて対応する会社、アセット・アドバンテージを作ったわけです。

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