企業型確定拠出年金 導入マニュアル

企業型確定拠出年金 導入マニュアル

2020/1/18更新

  • 企業の成長とともに退職金制度の検討が必要になった
  • 優秀な人材の確保のためにも、福利厚生制度を充実させたい

そんなご要望をお持ちの中小企業の経営者様にお勧めしたいのが企業型確定拠出年金の導入です。

確定拠出年金といえば、これまでは大企業のための福利厚生というイメージがありましたが、最近は中小企業様での導入も増えています。

まず2018年に始まった「iDeCo+」中小事業主掛金納付制度です。これはiDeCo加入者に対し、企業側が掛金を支援してあげる制度です。

従来の企業型確定拠出年金のように、会社側で負担する導入コストがかからないので、金銭面での負担なく福利厚生を拡充することができます。

ただし、iDeCo+はあくまでも個人型確定拠出年金なので、月の掛金上限は23,000円ですし、100名以上の会社では導入ができません。もっと柔軟な退職金制度を設計したい、従業員数が今後拡大する見込みであるなどの会社様には、やはり企業型確定拠出年金の方がおススメです。

複数ある企業の退職給付制度の中から「確定拠出年金」が選ばれるのには主に次の3つの理由があります。

  • 将来の退職金支払いのための資金運用のリスクが不要
  • 掛金は全額損金なので法人税対策としても有効
  • 掛金は社会保険料算定対象外なので、社会保険料の低減効果もあり

これら「確定拠出年金が選ばれる」理由は、どの企業様にとっても納得していただけるものでしょう。

上記メリットを最大限に生かした確定拠出年金の活用法を動画でわかりやすくまとめましたのでこちらをご覧ください

確定拠出年金導入の社内コンセンサスが取れたら、いよいよ制度導入のためのプロセスに入ります。

1)確定拠出年金運営の窓口となる金融機関選び

厚生労働省運営管理機関リスト

※かなりの数がありますのでまずはお取引のある金融機関にお問い合わせください。金融機関によっては事業規模により受付をしない場合もあります。

相見積もり等必要な場合は、弊社にお問い合わせください。
弊社の場合、一人社長であっても事業規模を問わず対応可能です。 (株式会社アセット・アドバンテージ

弊社がご提供する場合の企業型確定拠出年金導入費用(目安)

【導入時】

  • 事業所登録等代行手数料 20,000円~110,000円  
  • 口座開設手数料 3,000円~5,000円(加入者一人あたり)

【月々】

  • 事業所手数料 5,000円~10,000円 
  • 加入者手数料 300円~400円(加入者一人あたり) 
  • 振替手数料 300円(月1回) 
  • 資産管理手数料 資産残高x0.1%(月々12分の1ずつ)

【その他】

  • 導入時のコンサルティング費用 100,000円~
  • 社員研修費用 100,000円~ 

 ※上記料金には消費税が別途かかります

2)掛け金の拠出パターンを決定

【退職金の前払いとして確定拠出年金の拠出をするケース】

60歳で支払うべき退職金を予定される勤続年数で割って在職中に社員に支払ってしまうイメージです。

掛け金の設定方法は以下の3つです。

定額全員同じ金額とすること
定率基準給与×定率。基準給与は基本給などを使用。率は全員同じ率。
定額+定率上記の組み合わせ

※定率については、基本給のX%、給料総額のX%、退職金ポイントのX%のように合理的に算出できる数値を採用します。会社によっては、社内等級や職階級と連動して段階的に掛金が引き上げられるように制度設計していることもあります。

月々の掛け金にも上限があり、厚生年金基金など企業年金がある会社様においては、社員一人に対する掛け金上限は2.75万円、厚生年金以外の上乗せがない会社様に対しては同上限が5.5万円です。

※退職金の前払いとするケースにおいて労使合意の点で問題になりうるところは、確定拠出年金は「60歳まで引き出しが原則できない」という点です。

その場合の対策として、企業が拠出する掛け金を「給与として受け取るか」または「確定拠出年金の掛け金として受け取るか」を社員に選択させる方法があります。

給与として受け取ると、掛け金が所得税・住民税・社会保険料の対象となり手取りは減り損ですが、60歳までおろせないことを嫌う方にとっては良い選択肢となります。

【財形貯蓄のように社員が自主的に掛け金を拠出するケース】

福利厚生制度のひとつとして、会社が拠出する掛金の他、社員が希望する掛金を自身の給与から拠出する方法です。

  • マッチング拠出(ただし個人掛金は会社掛金額を上回ってはならない)
  • iDeCo併用(ただし企業掛金の上限を3.5万円とする必要がある)
  • 給与減額型選択制(ただし社会保険給付の減少になる場合がある)

上記3つの個人掛金の方法がありますが、それぞれ注意すべき点もあります。会社の意向を伺いながら、最適な方法を選択してください。

ここでは、最近多くなっている給与減額型選択制のメリット・デメリットをご説明します。

この制度のメリットは・・・

会社員にとっては、社員が給与から拠出した掛け金は社会保険料の算定対象外となり、会社が負担する法定福利費の減少につながる。

社員にとっては、給与から拠出した掛け金は、所得税・住民税・社会保険料の対象外となり大幅は節約効果を得られる。また会社が確定拠出年金加入手数料等を負担してくれるので、費用面でもメリットがある。

の2点です

一方で掛金が社会保険料の算定からはずれることにより、その分社会保険給付が減少します。

特に注意したい点は以下2点です。

<傷病手当金・出産手当金>

掛金拠出によるデメリットの算出方法:掛金÷30x2/3 

例:月2万円を拠出した場合、1日あたり444円の手当金が減少します。

※掛金を賞与から拠出すると上記の減少はありません。

<老齢厚生年金>

掛金拠出によるデメリットの算出方法:掛金x0.5481%x拠出期間

例:月2万円の拠出を10年継続した場合、老齢厚生年金が13,154円/年減少します。

上記は間違いなくデメリットではありますが、加入者が「選択制」で掛金を拠出すると、少なくとも所得税5%、住民税10%、社会保険料15%の支払いが不要となりますので、加入の際はメリット・デメリットをしっかり理解した上で活用するべきです。

3)厚労省への申請

企業型確定拠出年金は厚生労働省へ手続きを申請する必要があります。通常は窓口となる運営管理機関が(弊社にご依頼をいただいてケースであれば弊社が)代行します。

4)社員向け研修会の開催

確定拠出年金導入のキモともいえるところです。

運営管理機関によっては、DVDの配布で済ましたりすることもありますが、社員の理解を深め円満に制度を維持、活用するためにも研修にはお時間と予算をかけるべきと考えます。

制度導入時のみならず、継続的に研修も必要です。

窓口となる運営管理機関を選ぶ場合は研修実績等をご確認いただくことをおすすめします。

弊社にお任せいただいた場合は、導入研修から継続研修までオリジナルの教材でのご用意があります。また希望によっては個人相談までお受けすることも可能です。

企業型確定拠出年金の導入コンサルから社員研修まで、お問い合わせはこちら  

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