確定拠出年金 2万社に【日経新聞2015.5.6】

厚生労働省の調べによると確定拠出年金を導入する企業が3月時点で19,832社と2万社にそろそろ達するところまできたとの報道です

記事のリンク

三菱東京UFJ銀行は確定給付年金の上乗せとして月1万円を上限に個人が自由に掛け金を拠出できる制度(※選択制と思われる)を導入、従業員3万人中半数が加入

(※選択制とは、従業員が自分の給与から財形貯蓄のように掛け金を拠出するタイプの確定拠出年金
通常の税制メリットの他、社会保険料を抑制するメリットが得られる)

電通は6,000人を対象に確定拠出年金を導入

モロゾフ、東洋シャッターは確定給付の一部を確定拠出に移行

東芝は早期導入をめざし検討中

 

確定拠出年金の導入背景を日経新聞では以下の3つを上げています

1、確定給付では運用利回りが予定を下回った際に企業がその穴埋めをしなければならないが、確定拠出であればその必要がないため企業リスクを大幅に減らすことができる

2、政府が確定拠出年金の非課税枠を大幅に引き上げたことによるメリットの拡大(現在企業型の拠出限度額は月55,000円)

3、運用環境の好転により、労使合意がとりやすくなった

 

しかしながら、冒頭に記したように会社により確定拠出年金の位置づけはさまざまです

例えば三菱東京UFJのように財形貯蓄タイプを確定給付に上乗せする選択制であれば従業員のデメリットは一切なく純粋な福利厚生の拡充といえますが、モロゾフや東洋シャッターのように確定給付の一部を確定拠出に移行する場合、従業員に対する掛け金を予定利率いくらで算出したのかによって、確定拠出年金で目指すべき運用利回りの目標も変わってきます

また運用環境の好転も将来にわたり約束されるものではなく、労使合意を得られたあとも適切な従業員フォローが必要です

 

確定拠出年金は企業年金の選択肢として最も有効な制度でありますが、制度導入後の会社の取り組みが引き続き大切であることを忘れてしまうとこれまでとは違った新しい問題が発生するリスクもあります

制度導入時は従業員研修までを見据え信頼できるパートナーをお選びになることをお勧めします

AA

関連記事

FP協会「プロフェッショナルFP研修」を担当します
研修概要 …………… ●テーマ  「最新動向とケーススタディで学ぶ、資産形成アドバイスにおける個人型  確定拠出年金(iDeCo)、NISAの活用」 ●講師 山中 伸枝 氏    (CFP認定者、株式会社アセット・アドバンテージ代表取締役) ●研修日程:2017年5月17日(水) 13:00~17:00 ●開催場所:虎ノ門タ……
確定拠出年金について詳しい方宜しくお願い致します。
確定拠出年金の専門家として、ヤフー知恵袋さんにて回答をしております以下の記事がベストアンサーに選ばれましたchiebukuro.yahoo.co.jp/my/yc_ogweh【質問】こんばんは^o^確定拠出年金について詳しい方宜しくお願い致します。 主人の名義で加入をしたいのですが会社にしっかりとした総務的なものはなく親族経営ににたかんじの会社で企業年金に加……
【一人社長・小規模事業所経営者向け】確定拠出年金の活用法
厚生年金への加入が義務付けられている法人のみなさん厚生年金に加入しているからこそ、活用できる確定拠出年金の仕組みをご存じでしょうか?確定拠出年金は「個人型」として加入も可能ですが、あえて「企業型」で加入した方がメリットがあります【理由その1】個人型の掛け金は個人の所得から支払い、全額所得控除となりますが、企業型の場合はさらに掛け金を法人の損金として計上が可能……
FP協会主催 パーソナルファイナンス教育シンポジウムに登壇します
2017年3月8日(水)日本FP協会が主催する「パーソナルファイナンス教育シンポジウム」にパネラーとして登壇させていただきます  私は「実務家枠」として(笑)WEBでの集客状況や中小企業への営業活動などFPとしてどのように確定拠出年金を関わっているのかなどお伝えする予定です。確定拠出年金はFPが取り組むべき重要なビジネスの一つです。頭でっかちの知識……