厚生労働省の調べによると確定拠出年金を導入する企業が3月時点で19,832社と2万社にそろそろ達するところまできたとの報道です
三菱東京UFJ銀行は確定給付年金の上乗せとして月1万円を上限に個人が自由に掛け金を拠出できる制度(※選択制と思われる)を導入、従業員3万人中半数が加入
(※選択制とは、従業員が自分の給与から財形貯蓄のように掛け金を拠出するタイプの確定拠出年金
通常の税制メリットの他、社会保険料を抑制するメリットが得られる)
電通は6,000人を対象に確定拠出年金を導入
モロゾフ、東洋シャッターは確定給付の一部を確定拠出に移行
東芝は早期導入をめざし検討中
確定拠出年金の導入背景を日経新聞では以下の3つを上げています
1、確定給付では運用利回りが予定を下回った際に企業がその穴埋めをしなければならないが、確定拠出であればその必要がないため企業リスクを大幅に減らすことができる
2、政府が確定拠出年金の非課税枠を大幅に引き上げたことによるメリットの拡大(現在企業型の拠出限度額は月55,000円)
3、運用環境の好転により、労使合意がとりやすくなった
しかしながら、冒頭に記したように会社により確定拠出年金の位置づけはさまざまです
例えば三菱東京UFJのように財形貯蓄タイプを確定給付に上乗せする選択制であれば従業員のデメリットは一切なく純粋な福利厚生の拡充といえますが、モロゾフや東洋シャッターのように確定給付の一部を確定拠出に移行する場合、従業員に対する掛け金を予定利率いくらで算出したのかによって、確定拠出年金で目指すべき運用利回りの目標も変わってきます
また運用環境の好転も将来にわたり約束されるものではなく、労使合意を得られたあとも適切な従業員フォローが必要です
確定拠出年金は企業年金の選択肢として最も有効な制度でありますが、制度導入後の会社の取り組みが引き続き大切であることを忘れてしまうとこれまでとは違った新しい問題が発生するリスクもあります
制度導入時は従業員研修までを見据え信頼できるパートナーをお選びになることをお勧めします