企業型確定拠出年金 確定給付と比較する際のポイント

確定拠出年金(DC)と確定給付年金(DB)との最も大きな違いは、「資産が誰のものか」という視点です

 

確定拠出年金(DC)の場合、掛金が拠出された瞬間そのお金は加入者のものとなります

一方確定給付年金(DB)は退職一時金と同様、お金は会社のものであり、加入者のものとなるのは「受け取り時」のみです

そのため、加入期間中に会社が倒産、制度変更などがあれば、予定されていた金額を受け取れれなくなります

この資産の保全という意味では、企業年金として認められる制度の中で確定拠出年金は唯一の制度です

 

確定給付年金は、将来の給付額が「確定」していると解釈されていますが、あくまでも給付額を定めるための「計算方法」が確定しているだけであり、「給付額」が確定拠出年金しているわけではありません

前述した資産の保全という意味でも然り、確定給付年金が財政検証の結果、必要に応じて給付額の引き下げや予定利率の変更をしてもよいとなっていることをきちんと理解したいところです

 

また確定給付年金は将来債務のリスクがどこまでいってもつきまといます

この運用上のリスクは、極めて大きく、必ずしも企業が吸収できるとは限りません

なぜならば運用がうまくいかないという時は、景気が悪い時であり、景気が悪い時は業績も悪い時だからです

そのような本業でも厳しい時に本業以外のところで(もちろん社員の将来支援制度は大切なことですが)決算が悪くなる、補てんをしなければならない、借り入れも起こさなければならないなど起こりうるリスクについて制度導入の際は冷静に検討すべきでしょう

 

これからの企業の財務を考えれば確定拠出年金の方が選ぶべき企業年金制度だと考えます

 

 

企業型確定拠出年金、知りたいことを分かりやすくお伝えします:法人向け確定拠出年金セミナー

関連記事

キャッシュバランスと確定拠出年金の併用制度でした。
確定拠出年金の専門家として、ヤフー知恵袋さんにて回答をしております以下の記事がベストアンサーに選ばれましたchiebukuro.yahoo.co.jp/my/yc_ogweh【質問】年金制度について教えて下さい。最近複数のオファーレターをもらいました。この中で会社毎に年金の拠出率の異なることがわかりました。年基本給の7%と6.25%でした。これはやはり、7%……
士業のみなさん、単純に確定拠出年金をおススメしてはダメですよ!
「だれでも」個人型確定拠出年金に加入できることを伝える情報が増えています こちらはNHKニュース 金利低下で確定拠出年金の販売強化の動き 確定拠出年金は掛金が全額所得控除、運用益非課税、受け取り時は退職所得控除または公的年金控除という税制優遇がとても優れた制度です こういった制度を税理士さんや社労士さんといった士業の方々が、クラ……
iDeCo成長で際立つ企業型確定拠出年金の弱点
こんにちは、確定拠出年金相談ねっと代表の山中伸枝です。   少しずつですが、iDeCoの情報が一般の方にも伝わっていき、加入者が増えています。これは間違いのない変化で、ものすごいことです!! これからiDeCoの加入者がどんどん増えることで、見えてくるのが「企業型」確定拠出年金の弱点だと思います。残念ながら、すぐではないです。iDeCo加入者……
私が60前に死亡した場合、確定給付年金や、確定拠出年金は一時金として生計は共にしていない、子供に支払われますか。
確定拠出年金の専門家として、ヤフー知恵袋さんにて回答をしております 以下の記事がベストアンサーに選ばれました http://chiebukuro.yahoo.co.jp/my/yc_ogweh 【質問】 私は×1、独身です。子供は遠くに2人います。 私が60前に死亡した場合、確定給付年金や、確定拠出年金 は一時金として生計は共にしていない、子供に支……