企業年金があるからと過信しない、やっぱりiDeCoです!

こんにちは、確定拠出年金相談ねっと代表の山中伸枝です。

 

2017年からのiDeCo加入資格者拡大に伴い、これまで加入できなかった「会社に確定拠出年金以外の企業年金がある方」も加入することができるようになります。

掛金の上限は月12,000円。

企業年金がある会社に転職したことで、加入資格を失い個人型に移換し運用指図者だった方については、これまで積立をしたくてもできなかった訳ですし、所得控除のメリットはよく理解していらっしゃるかと思うのですでに個人型(iDeCo)の申込書を取り寄せたという方も多いです。

確かに、こういった方にとっては朗報です。資産残高があっても運用のみだと手数料の分負担が大きくあまりメリットがありませんでしたから・・・

 

このように運用指図者にしかなれなかった方にとって、今回の加入資格者の拡大は大きな前進です。

 

でも、同じ企業年金がある会社にお勤めの方で、正直今まで加入資格がなかったから入っていないけど、そもそも関心がなかったという方にこそiDeCoに加入して欲しいと思います。なぜなら、いわゆる確定拠出年金以外の企業年金(厚生年金基金または確定給付年金(DB))を過信するべきではないからです。

厚生年金基金はご存知のようにもう絶滅危惧種ですよね。日本から消えてなくなるまですでにカウントダウンとなりました。運が良ければ、多少のお金が戻るでしょうけれど、運が悪ければ「終身年金の受給権」を失いおしまいです。厚生年金基金は月2万円程度の上乗せが平均とも言われていましたので年間で24万円、30年受け取れば約730万円もの終身年金の権利を失うことになります。

厚生年金基金の後継制度として登場したのがDBです。将来の年金額が確定しているという意味で、「あー良かった!」と思う人も多いのですが、これ将来の年金「額」が確定しているというより、将来の年金額を「計算する式」が概ね決まっていると解釈した方がいいです。どこにも「約束」はありません。

また企業年金があるからと、なんとなく「安泰」感を醸し出してはなりません。正直企業年金、いわゆるDBの上乗せ部分は会社によってずいぶん違います。しっかり、がっつり年金がもらえる方もいますが、えっ、これだけ!という方もいらっしゃいます。

実際DBっていうのは、企業にとってはとても負担の重いものなんですよね。その分社員さんのメリットが大きいと考えても差し支えないかと思いますが、どこまで持ち遂げられるのかどうかはみておきたいところです。

 

ましてや今は転職が当たり前の時代です。本当にその企業年金を受給できるのか、受給できるとしたらいくらなのか、もう少しリアリティをもって考えるべきです。第一DBは、老後の受け取りが開始するまでは会社のものです。受け取り前に会社が倒産したら、それはもう回収など夢のまた夢となりそうです。ない袖は振れません^^;

 

今回の改正で月12,000円が限度額とはいえ、企業年金にある会社にお勤めの方であっても、iDeCoはしっかり活用すべきです。いえ、企業年金にある会社にお勤めの方であるからこそなおさらです。なにしろ、「企業年金あり」というと、ほとんどの方が自分の都合のよい解釈、なんとなく十分もらえるような感じ、で思ってしまって、老後の資金計画があまくなりがちですから。

 

またこの機会に会社の企業年金の様子も確認されるといいですよ。本当のところ、老後のキャッシュフローはどうなるのか、できるだけ情報を集め対策をたてるべきです。なんとなくこのくらいもらえるのでは!?なんてぼんやりしていてはダメです。

 

もうひとついうと、企業年金がある会社は、確定拠出年金も企業型として取り入れてほしいですね。財形貯蓄のように希望する方のみの任意参加である「選択制」で十分ですから、制度導入を検討して欲しいです。

iDeCoでは、掛金上限は月12,000円ですが、企業型として正式導入をしていただけると、掛金は25,500円まで引き上げられます。選択制はちょうど企業型の中のiDeCoといった位置づけですので、自由度も高いし会社にとっても社員にとっても大きなメリットになります。

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