前田 菜緒

iDeCo調査隊が行く!FPが銀行の窓口を調査比較してみた

こんにちは。

子育て世代の家計のパートナー、FP相談ねっと認定FPの前田です。

 

今回、FP相談ねっとでは、「iDeCo調査隊」として、全国の銀行や証券会社の窓口に行って、iDeCoがどのように紹介されているのか、調査してきました。

 

私が、調査したのは、東京都内の銀行5件とコールセンター2件。

 

金融機関にiDeCoの話を聞きに行こうかなと思っている人は、この調査結果を参考にしてから、聞きに行ってくださいね。

 

*運営管理機関選びのポイントについては、こちらのブログ
iDeCoの手数料ゼロ円運営管理機関比較表(楽天・SBI・マネックス・イオン銀行・その他)

 

窓口でiDeCoの運用商品の話ができるようになったのは、2019年7月から

実は、2019年6月までは金融機関の窓口でiDeCoの運用商品の情報提供をするのは法律で禁止されていました。

 

iDeCoの窓口である金融機関は、中立的立場でないといけないのですが、金融商品を販売している手前、iDeCoの説明をすると中立が保てなくなるかもしれないということで禁止されていたのです。

 

でも、それだとiDeCoに加入したいのに、教えてもらえない!ということになってしまい、2019年7月から窓口でもiDeCoの情報提供が行えるようになりました。

 

「この投資信託がオススメですよ」と運用商品の推奨は出来ませんが、商品説明は可能です。

 

厚生労働省ホームページより「兼務規制緩和後に営業職員が行うことができる行為」

 

iDeCo調査隊の目的

今回の調査の目的は、iDeCoの対応実態を知り、FPである自分たちにできることは何か?を考えることです。

 

私達、「FP相談ねっと」は、もともとは「確定拠出年金相談ねっと」という名前でした。そう、確定拠出年金のプロです。老後の資産形成をするなら、まずはiDeCoよね!ということで、多くの人にiDeCoを活用して欲しいと思っています。

 

ところが、iDeCoは税金の知識や運用の知識が必要でやや複雑。

 

そんな時に利用しやすいのが、金融機関の窓口です。家から近いし、無料だし、最近では土日でも相談ができます。

 

ということで、実際に窓口に行ってiDeCoの話を聞いてきました。調査したのはiDeCo調査隊として集まった相談ねっとのメンバー8人。全国の窓口を調査しました。

 

iDeCo調査隊のレポートはこちらのページから見ることができます。

 

ここでは、私が調査した結果をもとに窓口で話を聞く際のポイントをお伝えします。

 

iDeCo銀行窓口対応の調査結果

まずは、最も対応の良かった銀行から!

 

S銀行 A支店

iDeCoを知り尽くした担当者が、iDeCoの制度内容はもちろん、手続き上の細かな部分まで説明してくれました。ただ、この銀行の運用商品は他銀行の商品なので、商品の説明は行えないと、商品説明がなかったところが残念でした。

でも、運用の基本は、教えてくれましたよ。

この店舗なら、安心してiDeCoに加入できそうです。

 

◯◯証券コールセンター

銀行でもないし、店舗でもないけど。

 

◯◯証券のコールセンターは、ものすごく丁寧!

そういえば、ここの証券会社の窓口対応は3つ星を連続獲得していました。

 

コールセンターでiDeCoの制度説明をしてもらったあと、運用について聞きたいと言ったら、別途、運用説明部隊から電話がかかってきて、丁寧に答えてくれました。

 

回答内容は、証券会社のHP、このページに詳しいことが書いています。と、ウェブサイトに誘導し、サイトの説明をする程度でしたが、誘導の仕方から説明までがとても親切なのです。

 

さすがの三ツ星対応でした。

 

で、次に、残念な対応。

 

 

 

 

もっと私のことを聞いて!

これ、とっても大切なポイントだと私は思うのですが・・・。残念ながら、私の職業や年齢など聞いてくれた窓口の方はほとんどいませんでした。

iDeCoは職業と年齢が大きく関係する制度ですからね。ここ、聞かないと。

 

「iDeCoについて聞きたい」と言ったら、税金の負担が減る話からしてくれるのです。

間違ってはいないのですが、私なら「なぜiDeCoをしようと思ったのか」「どこで(なにで)iDeCoを知ったか」ということを聞くかな〜。なぜなら、そこに、相談者の本当の悩みや聞きたいことが隠されているからです。

 

それを知った上で話しをしないと、本当に知りたい内容とズレたことを話してしまうかもしれません。

 

そのほかにも、投資経験の有無や掛け金はいくらを考えているかなど、聞いてほしかったかなと。

 

今回の調査では、勝手に会社員として話が進められたり、自営業と言ったら、満額の掛け金で節税額を説明されたり。自営業の満額って68,000円なんですね。うちは、まだ子どもが小さいのに、iDeCoだけで68,000円はムリ!って心のなかで思っていました。

 

このポイントは、どれだけ相談者に寄り添えるかです。いろいろと自分のことを聞いてくれて、話を進めてくれる担当なら、あなたのことをよく考えてくれている担当ということです。

 

NG回答 受取時の税制

iDeCoは積み立てる時、運用している時、受け取るときの3つのステージおいて税制優遇があるのですが、受取時の税制について間違える方が多かったです。

 

①受取時は税金がかかりません



正)受取時に税金がかかるかどうかは、iDeCoの金額、会社から退職金があるか、退職金はいつ受け取るか、国からの年金はいくらか等、によります!

 

非課税枠に収まれば、税金はかかりませんが、非課税枠を超えると税金はかかります!

 

②受取時の税制は今後も変わらないでしょう

正)3ヶ月後の2020年1月より分割受け取りの場合の税制が改正されます。

一括受け取りの場合の税制については、今の所、改正される予定はありませんが、今後どうなるかはわかりません。

分割受け取りの場合の税制については、2020年1月より増税が予定されています。

 

③一括受け取りなら、2000万円か2500万円までなら非課税です



正)一括受け取りでの非課税上限額は、iDeCo加入年数や会社からの退職金の有無などによって違います!

ちなみに、2500万円まで非課税なら、加入期間は45年必要です。

60歳をゴールとすると、60−45=15歳でiDeCo加入?!

15歳は加入できません。

 

というわけで、受取時の税制については、間違いが多かったので、窓口で受取時の税制については聞かないほうが良いかも・・・

 

NG回答 掛け金の変更はいつでもできます

正)掛け金を変更できるのは、年1回です。

運用商品の変更はいつでもできますが、掛け金の変更はいつでも出来ません。この間違いも多かったので、窓口に相談に行くなら、この質問をして正しい回答が得られたら、その担当に期待してもよいかも?!

 

NG回答 iDeCoの商品は売却できません

正)いつでも売却可能です

iDeCoは、途中で資産を引き出すことはできませんが、運用している投資信託を売却することは可能です。そして、売却したお金で別の投資信託を購入できます。

 

日経新聞で取り上げられました

今回調査した結果は、2019年11月22日の日経新聞で取り上げていただきました。

 

 

iDeCoをはじめよう

iDeCoは、税金面においても、運用面においても、早くはじめるほど良い制度です。4日間のメールセミナー(無料)では、iDeCoの基本についてお伝えしています。ページの一番下から登録できますよ。

 

直接iDeCoを学びたい方は、「貯蓄力がつく!iDeCoをはじめたい人のためのマネーオンラインスクール」を毎月開催しています。オンラインなので、全国どこからでも参加可能です。

 

 

 

 

 

 

残念ながら、今回は、窓口対応は当たり外れがあることが分かりました。もし、窓口で説明を聞くにしても、上記の誤回答を参考に、聞きに行くのが良いかもしれません。でも、その前に、本で勉強してから行ったほうが良いかも。

 

私もFPとして、さらなる情報発信でiDeCoの正しい知識をお伝えしていきますね!

 

 

関連記事

【メディア実績】finasee「子供が大学生の時、私たちは60代…」40代夫婦が教育費を貯めるiDeCo活用術
こんにちは。 子育て世代の家計のパートナー、FP相談ねっと認定FPの前田です。 フィナシーさんで記事が掲載されました。 40代で第1子を授かったご夫婦のiDeCoで教育費活用術について書きました。画像クリックで記事に飛びます。iDeCoをはじめたいけど、なんだかんだとなかなかスタートできずにいる。そんな人は、こちらの無料メール講座……
【メディア実績】NET MONEY 取材内容が掲載されました
こんにちは 子育て世代の家計のパートナー、FP相談ねっと認定FPの前田です。 ZUUさんが運営する「NET MONEY」で取材内容が掲載されました。 ……
【相談事例公開】住宅ローン控除もあり、ふるさと納税もしています。iDeCoで節税効果はありますか?
こんにちは。 ママの強い味方★子どもが寝てからでも相談可能! 子育て世代の家計のパートナー、前田菜緒です。   相談事例を公開しました。 住宅ローン控除もあり、ふるさと納税もしています。iDeCoで節税効果はありますか?   iDeCoは、老後資産形成を目的とする制度ですが、それだけでなく、大きな「節税」というおまけがついて……
【メディア掲載】finasee「収入と所得の違い―勘違いが招いた誤算とは? 」
こんにちは。 子育て世代の家計のパートナー、FP相談ねっと認定FPの前田です。 フィナシーさんでのオンラインセミナーの動画と、そのセミナーでお話したコラムが前編後編で掲載されました。 前編「児童手当をもらわなくては」昇給をセーブした40代サラリーマンが抱えていた“勘違い” 後編「倹約しているのに金欠…」横領に手を染めた、40代サラリ……