ファイナンシャルプランナー野原 亮

2022年 01月 16日

2022年バイロン・ウィーン「10サプライズ」から今年を占う!

こんにちは。なんちゃって国際金融ストラテジスト・FP相談ねっと認定FP、野原です。

バイロン・ウィーン

運用資産約70兆円超を誇る、米大手投資会社ブラックストーンにおける、米金融の中心地ウォール街のご意見番。

僕は毎年この「10サプライズ」をみるのが楽しみなんですが、なぜ楽しみにしてるのかというと、目的はただ1つ。

自分の思考の枠組みを、ちょっと拡げたいから

業界の著名人が、今後もしかしたら起こるかもしれないと思っている世界がどんなレベル感なのか、知っておきたい。そしたら自分なりにそのちょっと先をイメージできちゃうかもと参考にしています。

昨年は「0円投資」の執筆で余裕がなかったのか、アップし忘れていたようです。

さて今年2022年分は、各項目ごとに、英語の原文をGoogle翻訳で和訳してご紹介しつつ、最後に総評として私の解説も加えております。ご参考になれば幸いです。

※ウィーン氏のいうサプライズとは、平均的な投資家は「1/3程度の確率」でしか起こらないと考えているが、「50%超の確率」で起こると信じている事象とされています。18年からはブラックストーンのプライベート・ウェルス部門チーフ投資ストラテジスト、ジョー・ザイドル氏と2人で予想しています。

Byron Wien and Joe Zidle Announce the Ten Surprises of 2022
バイロン・ウィーンとジョー・ザイドルの2022年10サプライズ

New York, January 3, 2022 – Byron R. Wien, Vice Chairman together with Joe Zidle, Chief Investment Strategist in the Private Wealth Solutions group at Blackstone, today issued their list of the Ten Surprises of 2022. This is the 37th year Byron has given his views on a number of economic, financial market and political surprises for the coming year. Byron defines a “surprise” as an event that the average investor would only assign a one out of three chance of taking place but which Byron believes is “probable,” having a better than 50% likelihood of happening. Byron started the tradition in 1986 when he was the Chief U.S. Investment Strategist at Morgan Stanley. Byron joined Blackstone in September 2009 as a senior advisor to both the firm and its clients in analyzing economic, political, market and social trends. In 2018, Joe Zidle joined Byron Wien in the development of the Ten Surprises.

Byron and Joe’s Ten Surprises of 2022 are as follows:

ニューヨーク、2022年1月3日–バイロンR.ウィーン、副会長、ジョージドル、ブラックストーンのプライベートウェルスソリューショングループのチーフインベストメントストラテジストは本日、2022年の10のサプライズのリストを発表しました。これはバイロンが37年目を迎えた年です。 来年の経済、金融市場、政治的驚きの数についての彼の見解を考えると。 バイロンは、「サプライズ」を、平均的な投資家が発生する可能性の3分の1のみを割り当てるが、バイロンが「可能性が高い」と考え、発生する可能性が50%を超えるイベントとして定義しています。 バイロンは、1986年にモルガンスタンレーのチーフ米国投資ストラテジストとしてこの伝統を開始しました。 バイロンは、2009年9月に、経済、政治、市場、社会の動向を分析する上で、同社とそのクライアントの両方の上級顧問としてブラックストーンに入社しました。 2018年、JoeZidleはByronWienに加わり、TenSurprisesの開発に参加しました。

バイロンとジョーの2022年の10のサプライズは次のとおりです。

1、S&P500

The combination of strong earnings clashes with rising interest rates, resulting in the S&P 500 making no progress in 2022. Value outperforms growth. High volatility continues and there is a correction that approaches, but does not exceed, 20%.

強力な収益と金利の上昇が相まって、2022年にS&P500は進歩しませんでした。価値は成長を上回ります。高いボラティリティが続き、20%に近づくがそれを超えない修正があります。

2、インフレ

While the prices of some commodities decline, wages and rents continue to rise and the Consumer Price Index and other widely followed measures of inflation increase by 4.5% for the year. Declines in prices of transportation and energy encourage the die-hard proponents of the view that inflation is “transitory,” but persistent inflation becomes the dominant theme.

一部の商品の価格が下落する一方で、賃金と家賃は上昇を続け、消費者物価指数やその他の広くフォローされているインフレ指標は、年間で4.5%上昇します。輸送とエネルギーの価格の下落は、インフレは「一時的」であるという見方の熱心な支持者を促しますが、持続的なインフレが支配的なテーマになります。

3、米FRB政策金利

※FRB(米連邦準備制度理事会)

The bond market begins to respond to rising inflation and tapering by the Federal Reserve, and the yield on the 10-year Treasury rises to 2.75%. The Fed completes its tapering and raises rates four times in 2022.

債券市場は、連邦準備制度によるインフレの上昇と漸減に対応し始め、10年国債の利回りは2.75%に上昇します。 FRBは漸減を完了し、2022年に金利を4倍に引き上げます。

、コロナウィルス

In spite of the Omicron variant, group meetings and convention gatherings return to pre-pandemic levels by the end of the year. While Covid remains a problem throughout both the developed and the less-developed world, normal conditions are largely restored in the US. People spend three to four a days a week in offices and return to theaters, concerts, and sports arenas en masse.

オミクロンの変種にもかかわらず、グループ会議や大会の集まりは、年末までにパンデミック前のレベルに戻ります。 Covidは先進国と発展途上国の両方で問題を抱えていますが、米国では通常の状態がほぼ回復しています。人々は週に3〜4日オフィスで過ごし、劇場、コンサート、スポーツアリーナに一斉に戻ります。

5、中国経済

Chinese policymakers respond to recent turmoil in the country’s property markets by curbing speculative investment in housing. As a result, there is more capital from Chinese households that needs to be invested. A major asset management industry begins to flourish in China, creating opportunities for Western companies.

中国の政策立案者は、住宅への投機的な投資を抑制することで、国の不動産市場における最近の混乱に対応しています。その結果、投資する必要のある中国の家計からのより多くの資本があります。主要な資産運用業界が中国で繁栄し始め、欧米の企業にチャンスを生み出しています。

6、金相場

The price of gold rallies by 20% to a new record high. Despite strong growth in the US, investors seek the perceived safety and inflation hedge of gold amidst rising prices and volatility. Gold reclaims its title as a haven for newly minted billionaires, even as cryptocurrencies continue to gain market share.

金の価格は20%上昇し、過去最高を記録しました。米国での力強い成長にもかかわらず、投資家は、価格とボラティリティの上昇の中で、金の安全性とインフレヘッジの認識を求めています。暗号通貨が市場シェアを獲得し続けているにもかかわらず、ゴールドは新たに造られたビリオネアの天国としての称号を取り戻します。

7、原油相場

While the major oil-producing countries conclude that high oil prices are speeding up the implementation of alternative energy programs and allowing US shale producers to become profitable again, these countries can’t increase production enough to meet demand. The price of West Texas crude confounds forward curves and analyst forecasts when it rises above $100 per barrel.

主要な産油国は、石油価格の高騰が代替エネルギープログラムの実施を加速し、米国のシェール生産者が再び利益を上げることを可能にしていると結論付けていますが、これらの国は需要を満たすのに十分な生産量を増やすことができません。西テキサス原油の価格は、1バレルあたり100ドルを超えると、フォワードカーブとアナリストの予測を混乱させます。

8、原発

Suddenly, the nuclear alternative for power generation enters the arena. Enough safety measures have been developed to reduce fears about its dangers, and the viability of nuclear power is widely acknowledged. A major nuclear site is approved for development in the Midwest of the United States. Fusion technology emerges as a possible future source of energy.

突然、原子力発電の代替案が登場します。その危険性に対する懸念を軽減するために十分な安全対策が開発されており、原子力発電の実行可能性は広く認められています。主要な原子力施設は、米国中西部での開発が承認されています。融合技術は、将来のエネルギー源の可能性として浮上しています。

9、ESG投資

※Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)

ESG evolves beyond corporate policy statements. Government agencies develop and enforce new regulatory standards that require public companies in the US to publish information documenting progress on various metrics deemed critical in the new era. Federal Reserve governors spearhead implementation of stress tests to assess financial institutions’ vulnerability to climate change scenarios.

ESGは、企業のポリシーステートメントを超えて進化します。政府機関は、米国の公開企業が新しい時代に重要と見なされるさまざまな指標の進捗状況を文書化した情報を公開することを要求する新しい規制基準を開発し、施行しています。連邦準備制度理事会は、気候変動シナリオに対する金融機関の脆弱性を評価するためのストレステストの実施を主導しています。

10、電気自動車のリチウム電池

In a setback to its green energy program, the United States finds it cannot buy enough lithium batteries to power the electric vehicles planned for production. China controls the lithium market, as well as the markets for the cobalt and nickel used in making the transmission rods, and it opts to reserve most of the supply of these commodities for domestic use.

米国は、グリーンエネルギープログラムへの後退の中で、生産が計画されている電気自動車に電力を供給するのに十分なリチウム電池を購入できないことに気づきました。中国はリチウム市場と、送電棒の製造に使用されるコバルトとニッケルの市場を支配しており、これらの商品の供給のほとんどを国内で使用するために確保することを選択しています。

「Also Rans」
それほど重要でも、実現の可能性が高くもないもの

Every year there are always a few Surprises that do not make the Ten, because we either do not think they are as relevant as those on the basic list or we are not comfortable with the idea that they are “probable.”

毎年、10を作らないサプライズがいくつかあります。これは、基本リストにあるものほど関連性がないと思われるか、「可能性が高い」という考えに満足していないためです。

11、FDAが体外遺伝子治療の承認

※FDA(アメリカ食品医薬品局)

The FDA approves the first ex vivo gene-editing treatment. This stimulates further research into genomic medicine, and progress is accelerated on developing in vivo gene therapies. Ethical concerns around CRISPR technology inspire heated debate, but also focus investor attention on the pharmaceuticals and health care sectors.

FDAは、最初のexvivo遺伝子編集治療を承認します。これはゲノム医学のさらなる研究を刺激し、invivo遺伝子治療の開発の進歩が加速されます。 CRISPRテクノロジーに関する倫理的な懸念は、白熱した議論を引き起こしますが、投資家の注意を医薬品やヘルスケアの分野にも集中させます。

12、ポジションを大きく変え、JPモルガンが暗号通貨でリーダーに

The digital economy gets a major boost when Jamie Dimon reverses his position on cryptocurrencies and J.P. Morgan seeks to become a leader in the space. Crypto becomes a major factor in the financial markets.

ジェイミー・ダイモンが暗号通貨に関する立場を逆転させ、JPモルガンがこの分野のリーダーになろうとすると、デジタル経済は大きく後押しされます。暗号は金融市場の主要な要因になります。

13、米中ともに高性能半導体の国内供給力を増強

The United States and China both seek to become the global leader in advanced semiconductor capabilities in order to reduce their dependence on offshore manufacturing of the technology. The US government commits major funds to private contractors for semiconductor research, while China focuses on state-owned enterprises to get the job done.

米国と中国はどちらも、技術のオフショア製造への依存を減らすために、高度な半導体機能の世界的リーダーになることを目指しています。米国政府は半導体研究のために民間請負業者に大規模な資金を投入し、中国はその仕事を成し遂げるために国有企業に焦点を合わせています。

14、プエルトリコ人気

Puerto Rico becomes the new retirement destination of choice. People are attracted by the good weather and low tax rates, and they put aside fears of hurricanes.

プエルトリコは新しい引退先として選ばれます。人々は天気が良く、税率が低いことに惹かれ、ハリケーンの恐れを脇に置いています。

FP野原の視点

キーワードは「引潮」「大転換」

全体的にはサプライズ感がないように感じましたが、キーワードとしては「引潮」ということになるのでしょうか。コロナショック後の流れがいったん逆流する可能性を示唆しているのかもしれません。

アメリカの利上げ回数は、最も強気と思われる4回を想定しているようですが、割安株や景気敏感株は徐々に価格転嫁と企業収益の維持が難しくなるでしょうし、ビッグテックは中間選挙で共和党優勢が想定されるため、伸び悩むでしょう。

物価上昇は比較的落ち着くとみていますが、それ以上に商品価格は大きく下落する可能性もありそうです。

アメリカでは特に、人手不足によるエッセンシャルワーカー(私達の生活に必要不可欠な仕事)の賃金上昇や、設備投資による将来的な生産性向上も期待できるため、どちらにしてもやはり成長株が比較的買われやすい展開は変わらないとみています。

メタバース関連には最も注目しておりますが、ビッグテックというよりは、特にNASDAQなど成長株全般の下値を丁寧に拾う展開を想定しています。

また、さらにキーワードを追加するとすれば「大転換」でしょう。

これは我々のようにとある価値観をともにする者にとっては必然ですが、多くのかたにとっては大きな変化と感じる内容かもしれません。

SDGs絡みでは化石燃料扱いであったはずの天然ガスが欧州で容認されましたし、半導体、米中摩擦、人権問題などにより国内産業への回帰は必須です。このことは本来、日本にとっては大チャンスなのですが岸田政権のままでは全くもって厳しいでしょう。

我々が、ジャーナリズム(真実を知ろうとする欲求)をどこまで強いムーブメントに変えていけるかで、もしかしたら何か変わるかもしれません。

また、地政学リスクが比較的少ない地域が買われる可能性もあり、欧州は微妙かもしれませんが、アフリカや南米、インド等には注目しておきたいところです。

そして、特に日米における貨幣観の大転換がより表面化し、日本においては消費税、国債発行残高、財政出動、インフラ整備などにおいて、その好影響が期待できる展開になりそうです。

日本は賃金上昇というよりも、国内の需要喚起政策が必須となり、特に消費税減税やインフラ整備、DXなどの進展を期待したいところです。

貨幣観に大転換が起こると、金・原油・仮想通貨において資金が流出しやすくなりますし、国債相場は継続して安定的な動きになります。

これらの流れを受けて、我が国の金融教育も内容の大転換を期待したいところです。

国家には国家の役割があり、地方や大企業にも役割があり、我々国民にも役割があります。いつまでも無責任な自己責任論を振りかざしていては、もうわが国は徐々に衰退していくばかりです。

今年は株価としては総じて冴えない展開を想定していますが、その分、将来の可能性がおおきく醸成されるチャンスでもあるので、この1年、大切にしていきたいですね。

メルマガ登録者限定!初回サービス料金が、20%OFF

『お金はあればあるだけ使っちゃうひと』のためのメルマガ

ご登録は以下よりお願いします!


【有限実行】
メールアドレス 必須
必須


関連記事はこちら