こんにちは、確定拠出年金相談ねっと認定FPの末次ゆうじです。
企業型と個人型の加入者の割合
確定拠出年金(DC)の加入者数は、企業型で589万人
個人型で29万人(厚生労働省:平成28年11月末現在)
で、企業型の方が20倍も多いのが現状です。
その背景は、各企業が企業存続を考えた場合、企業年金制度
である厚生年金基金や確定給付型年金制度(DB)が、変化
と進化をしながら「確定拠出年金(DC)」に変化していった
ということがあげられます。
企業も生き残りをかけ、今までの規定のように決まった「退職金」
を払えるかどう分からない。だったら、毎月のお金は払うので
(前払い退職金)各自で運用・管理していってください。
という考えで「確定拠出年金(DC)」の導入が大企業を中心に
普及したため、企業型DCの加入者が多いのが現状です。
企業型DC加入者が転職する場合は?
確定拠出年金は、離転職する場合、今まで掛けてきた年金資産を
次の職場等に持ち運びが可能です。これを、ポータビリティと
言っています。例えば、企業型から企業型や、企業型から個人型
など、様々なポータビリティのパターンがあります。
企業型確定拠出年金(以下企業型DC)に加入し、個人別管理資産
がある方が企業型DCの加入者の資格喪失をしてか6カ月以内に
個人別管理資産を他の企業型DCに移換するかまたは個人型DC(iDeCo)
に移換するかあるいは脱退一時金が請求できる方においては請求手続きを
行うこととされています。
もしいずれの手続きも行わなかった場合は、
その個人別管理資産は現金化され、国民年金基金連合会に自動移換されます。
この半年間何の手続きもしていなく自動移管された人の事を、「401K難民」
など比喩されています。
この自動移換になれば、自分の年金資産が運用されないだけでなく、
管理手数料が毎月51円(年間612円)自分の年金資産から引かれていく
上、この自動移換の期間は、確定拠出年金の加入期間とはみなされないため、
場合によっては、老齢給付金の受給可能年齢が遅くなる可能性もります。
(60歳から受給可能が最高65歳までに延びる)
よって転職の際は注意してほしいところです。
個人型(iDeCo)の口座を作る場合
転職する場合、次の仕事や転職する会社によって手続きの方法が
異なってきます。転職といっても会社員、公務員、自営業、
専業主婦、会社経営者など様々なパターンがありますし、
転職先の会社で、企業型確定拠出年金(以下企業型DC)
がある場合とない場合でも手続きなど変わりますし、選択肢も
決まってきます。確定拠出年金制度は、公的年金の上乗せ制度
ですから、自営業や会社員など職業によって毎月の掛金の上限
が決まっています。
この中で、今まで企業型DC加入者が転職する場合、転職先に
企業型DCがない場合は、個人型DC(iDeCo)の口座を新たに
作って、今までの年金資産を移換する必要があります。
転職する時に、担当者の方からの指示はあると思いますが、
実際は、どうしていいかわからない方や中には無関心の方など
もいて、自動移換されているか人が増加傾向です。
ですから、今までの年金資産を個人型の口座に引っ越しされなけ
ればいけません。この「引っ越し」を「移換」と言っています。
この移換する作業は、新しく個人型DCの口座を作る運営管理機関で
する必要があるので、会社や企業型に加入していた運営管理機関に
連絡する必要はありません。
離転職する場合の「ほったらかし」はだめ!
確定拠出年金の運用では、一度、運用の配分指定をしたら
あとは「ほったらかし」でいいですよ!
という意見もあります。
運用の世界では、将来の予測はプロでも
正確には分からないので(神様しかわかりません)ある意味、
”一喜一憂しない”という意味からすれば「ほったらかし」という言葉の
本質は、お金の熟成という意味です。
しかし、離転職で環境が変わる場合は、「ほったらかし」は、
全く意味がなく、熟成ではなく「劣化」を意味します。
冒頭でもご案内したように、年金資産が運用されないだけでなく、
管理手数料が毎月51円(年間612円)自分の年金資産から引かれていく
ということです。(現在は手数料は変更になっています)
詳細は以下をご参考ください。
www.jidoikan.jis-t.co.jp/what/index.html
このように、離転職の時にどうすればいいか?
今「ほったらかし=(劣化)」状態の方は
ご注意下さい。
東京でもセミナー開催しました!(終了)
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