野原 亮

世界的に株価が下落しています。積立額を増やすべきでしょうか?

こんにちは、高輪ゲートウェイ駅と品川駅の間にオフィスを構える、確定拠出年金相談ねっと認定FP野原です。

今年は本当に小さな波乱がいっぱいありましたね。

 

年内の営業日も残りわずかとなりました。

今年から積立てをはじめたかたは、ほとんどのかたがマイナスを抱えてるのではないでしょうか?

 

投資資金に余裕があるかたは、積立てに慣れてきたこともあって、ここ最近の状況を見て、積立額を増やそうとしているかたもいらっしゃるかもしれません。

 

果たして、本当に積立額を増やすべきでしょうか?

 

リスクを取りすぎてないのであれば、好きにしたら良い

定期的に一定額を使って積立てる「ドルコスト平均法」。

 

これを毎月積立で活用するなら、この先株価が上がるのか下がるのかはわからないのが大前提ですから、無理のない範囲内でやってくださいということになりますが、ではその範囲内というのはどうやって決めれば良いのでしょうか?

ドルコスト平均法による積立ては損しない運用法ではない

 

運用資産全体に対する「無リスク資産」の割合が重要

実は、資産運用で失敗しないためには自分にあったリスクのとり方が、そのほとんどを左右します。

そしてその鍵を握るのが「無リスク資産」です。

 

「無リスク資産」とは、預貯金・日本国債(最近では、為替ヘッジ付の先進国債券も含む)です。

運用資産全体に対し、無リスク資産をどの程度盛り込むかがとても重要なのです。

 

国債や為替ヘッジ付の先進国債券はひとまず置いといて、要は預貯金の役割がとても大きな意味をもってきます。

 

意外ですか?

低金利の預貯金の役割がとても重要だということが。

【メディア実績】ファイナンシャルフィールド『【著者がリアルに運用】買っておくべきかどうか!?動き出すのか、定期預金金利』

 

僕がお伝えしているシンプルな考え方の基本形は、

無リスク資産:リスク資産=50:50

 

これがベースですが、この比率をさらにどうするかは各自の心理状況や経済状況によって異なってきます。

 

例えば僕の場合であれば、リスク資産は一時的に1/5になっても構わないと思っています。

個別株ではなく投資信託でも、リーマン・ショック時には本当にあった話なので経験上そこまでは覚悟しています。

 

つまり、

無リスク資産:リスク資産=50:50→50:10

となっても構わないつもりで運用しているということです。

 

無リスク資産+リスク資産=元々100→60(リスク資産が50→10)になってしまうわけですが、もっとリスクをとっても心理的には平気です。

 

ではいったいどれくらいまで耐えられるかというと、個人的には合計30%(▲70%減)までなら、瞬間的な損失になんとか耐えられる自信があるし、それくらいならあっても仕方ないと思っています。

 

実際には、毎月積立てをしているかたであれば、積立てを継続するのであれば、その状態がずっと続くわけではありませんが、イメージとしては最悪の事態を想定しておかないと実際に起こったらビックリしてしまい、ありえない行動をとってしまう危険性もあるので要注意です。

 

ということで、

 

リスク資産が、当初の1/5になっても大丈夫な無リスク資産割合、

無リスク資産とリスク資産の合計が当初の30%になっても大丈夫な割合を「無リスク・シェア」(※個人的に命名したもの)として把握しています。

 

X+Y=● ← 無リスク資産とリスク資産の合計が当初の●%になっても耐えられるかの数値を入力

X+●Y=100 ← リスク資産が当初の1/●になっても耐えられるかの数値の「逆数」を入力

 

X+Y=30 ・・・①   X+5Y=100 ・・・②

①より、Y=30-X ・・・③   ③を②に代入すると、

X+5(30-X)=100   X+150-5X=100

X-5X=-50   -4X=-50

X=12.5 ・・・④   ④により、Y=17.5 ・・・⑤

 

ということで、リスク資産が1/5になり、全体の資産としては当初の30%まで全体の運用資産が減っても耐えられる無リスク資産は12.5%です。

 

実際はここまで正確にやっていませんが、常に10%以上の無リスク資産を確保するようにしています。

リスク資産が値下がりすると、、無リスク資産のシェアがアップするので、リバランスを実行するこになります。

 

X+Y=□ ← 無リスク資産とリスク資産の合計が当初の●%になっても耐えられるかの数値を入力

X+□Y=100 ← リスク資産が当初の1/●になっても耐えられるかの数値の「逆数」を入力

 

この「無リスク・シェア」は、僕が無リスク資産とリスク資産の配分を考えるうえで、最も重視している数値になります。

 

結局は、リスクのとり方でそのほとんどが決まる

このように、各自がどのようにリスクをとっていったら良いのかという非常に曖昧になりやすい疑問に、僕なりのひとつの答えを出してみました。

 

資産形成に有効でお得な制度、iDeCoやつみたてNISAが普及しつつありますが、哀しいことに「制度ありき」で、資産運用の本来の特徴や有効性などがかすんでしまっているように思います。

 

もともと「資産運用は当たり前」であってもおかしくないものの、有効な制度などによってブームっぽくなり時代に踊らされている面も否めないでしょう。

 

なので、少しずつ知識や経験を積まれたかたは、ぜひもっと本質的な部分へもご興味をもっていただけると嬉しいです。

 

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世界的に株価が下落しています。積立額を増やすべきでしょうか?

 

答えは、

 

リスクを取りすぎてないのであれば、好きにしたら良い

自分想定しているリスクの範囲内であれば、好きなことしても全然オッケーです。

 

株価暴落を経験した積立投資家の皆さまに、まず考えていただきたいこと

 

ただ、どうやってリスクをとらない部分の割合を決めたら良いのかとか、

どうやってリスクを取った方が良いのかという話は文字だけでお伝えすることは難しく、ちゃんとお話ししてみないとわからない部分もあります。

 

リスクテイカーであるがゆえに、リスクメンジメントも求められるファイナンシャルプランナーは、まさにそういった個々の積みあがった情報を切り分けるのが得意な職業です。

 

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