こんにちは。国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト、野原です。
「より多くのチョイスを」
夜間取引に興味のある個人投資家の皆様に向けた、ジャパンネクスト証券株式会社様の『よるかぶラボ』さんにて、寄稿させていただいた記事が公開されましたのでご報告です。
ぜひ、ご覧いただけたら嬉しいです!
高値を更新し続ける日経平均株価ほか
2月末に終値ベースで、NASDAQ総合株価指数(投資信託などでメジャーなNASDAQ100ではなく、NASDAQ Composite)が高値を更新(@16091.92 )しました。
それを受けて東京市場は3月に入り、日経平均株価が4万円まであと10円、というところまできているところで、先物は一時@40,010をつけています。
「バブルではない」という気持ちもわかりますが、明確に急スピードで高値を更新してきていますし、買われすぎを示唆する指標も多くでてきていますので、少しずつ利益を確定させていく方法も一手です。
我々人間は総じて、歴史から学ぶのが苦手な生き物です。
私もかつて経験してきましたが、株価が自分の気持ち以上に急上昇したり、長く株高が続いたりすると、それが今後も相当程度、長く続くのではないかと、誰もが錯覚してしまいます。
これが「現状維持バイアス」です。
そのような心理状態になっていまうと、いま目の前でついた高値という「値段」「価格」が頭にこびりついてしまいます。
そして、いったんその値段が頭にこびりつくと、その値段に引っ張られて判断してしまいやすくなります。
これが「アンカリング効果」と呼ばれるものです。
アンカー(船の錨)を打ち込まれた状態です。
いったんこのようになってしまうと、いまの値段から下がってしまうと「売りたくない」という気持ちが大きくなります。
買った値段よりいまの値段のほうが高く、含み益がでている状態であっても、アンカリングされた値段がまるで買った値段のように錯覚し、その値段より上で売らないと、なぜか損した気分になっていまうのです。
このような結果におちいってしまやすいタイプは、実は明確です。
これは私の感覚的な統計になりますが、日常的にリバランスなどのメンテナンスをしていないかたに、圧倒的に多いです。
メンテナンスをしているかたは、どちらかというと機械的に注文をだしている傾向にありますので、アンカリング効果の負の影響を受けにくい体質にありますが、金融商品の値段を感情的に見ているかたは要注意です。
このような方々の典型的な失敗事例が、1989年バブルの頃に買った株式を、ずっと売れないまま、含み損を丸々抱え込んだまま、バブル崩壊を経験してしまった方々の事例です。
「長期投資」は、「長期でほったらかしにする投資」ではありません。
あまり知られていないかもしれませんが、長期投資の象徴的存在であるウォーレン・バッフェット氏ですら、ほったらかしにはしておらず、むしろイメージ以上に売買していることもあります。
私が証券時代に学んだことのうちで、最も印象深い言葉のひとつが「まずは疑え!」です。
これは何に対しても、誰に対しても疑い深くなることをオススメしているわけではなく、いったん目の前のことを受け止めてみて、自分で咀嚼し、考え、自分で結論を出すことを意味しています。
社会的に同調圧力が強いといわれている日本人は、これが苦手なことが多いです。
胸に手を当ててみれば、きっとわかっているはずです。
コ●ナやワ●チ●、大●領●挙で散々経験してきたでしょう。
あの頃に問題発言していた輩は、いまだにシレっとしていて、なにも責任をとっていないですよね。
自分の頭で考えているようで、実はあまり考えずに、衝動的に行動してしまうことも決して少なくないでしょう。
僕だってそんなことはいくらでもありますが、内容やテーマ次第ではシャレにならないことが本当に起こってしまうこともあります。
普段はこのようなことを意識することは少ないかもしれませんが、特に情報の受け取り方は、我々が自立して生きていくうえでとても大事で、この観点では「誰が」言ってるかよりも、「何を」言ってるかのほうがよっぽど大切です。
●入手した情報を、事実と推測・憶測などに切り分け、「つまりこうだよね」と自分なりに解釈できるようになる「要約力」
●一見関係なさそうな情報を含めて、得られた情報を想像力によって寄せ集めて、その結果導き出されることを推測、想定して結論をだす「創造力」
現代は、利便性の向上の裏返しかもしれませんが、SNSやショート動画などにあふれ、情報入手がよりインスタント(すぐできる、手間いらず)になってきていますので、自分で考えるという力を醸成しにくくなってしまっています。
これからの時代はますます、自分で考え、自分で選び進んでいくことが求められるはずです。
世の中の大切な、重要なことに比べれば、金融や資産形成の話は、たいがいたいしたことありません。
まずはお金の話から、「疑ってみること」を始めてみてはいかがでしょうか?
あ、もちろん、僕が言っていることも、まずは疑ってみてから聞いてくださいね(笑)
潮が引いたあとに、誰が裸で泳いでいたかがわかる
by ウォーレン・バフェット
次からの記事もぜひ読んでいただけたら嬉しいです!
注目記事ピックアップ
主な執筆・監修実績
三井住友銀行 MoneyVIVA |「お金の色分けしてみよう」シリーズ
まとめ
#1
#2
#3
#4
三井住友銀行 MoneyVIVA |「FPが聞いた!お金のしくじり失敗談」シリーズ
週刊誌
光文社
『週刊女性自身』
3/22号
「プロのオススメ銘柄」で始めるiDeCo入門