野原 亮

【メディア実績】10/21(土)10時~FMサルース『FP野原の今夜も0円で飲みに行く!』(ゼロ飲み)「お金の役割」

こんにちは。FP相談ねっと認定FP・0円投資マスター、野原(のはら)です。

先日10/21(土)に、私がMCをしている「FMサルース」さんの番組にて、「お金の役割」をピックアップしてお届けしましたのでご報告です。

通称「ゼロ飲み」(ZERONOMI)は、元手0円で始められる積立投資の方法をお伝えする番組です。

毎月第3土曜日10:00~10:30
FMサルース(84.1MHz)『FP野原の今夜も0円で飲みに行く!』にてお届けしています。

視聴にはFMサルースのWEBサイト内のライブ配信動画、または「今すぐ聴く!」より、ライブ配信・生配信をお楽しみください。

※ラジオ局より特別な許可をいただき、楽曲を削除、内容編集したものを限定公開しております。

※「お金ってなに?」という本質的なテーマは、僕が現代貨幣理論(MMT)を学ぶなかで出会った貨幣論に基づいています。

MMTについては過去ブログでもご紹介してきましが、僕が2018年くらいから学んできた理論で、金融経済教育にとても役立っていますし、2021年に出版させていただいた「0円投資」にも盛り込んでおり、キャッシュレス決済を理解しやすくする理論でもあります。

MMT関連書籍にはすでに多くの名著がありますが、その中で貨幣論について書かれた書籍のうち、とてもわかりやすそうなものを1冊ピックアップしてみました。

このような書籍を読んでいただくと、現在の金融教育で行われているお金についての教育が、大きな間違いを含んでいることが腑に落ちると思います。

お金の本質」について知りたいかたはぜひお手に取ってみてください。

それでは、どうぞご視聴ください!

直近の放送シーン

▼音声のみはこちらから、1.25倍速でどうぞ▼

ライブ配信アーカイブ

オープニング曲(固定)Queen「I Was Born To Love You」

挿入曲❶ONE OK ROCK「Change」

挿入曲❷AI「ハピネス」

エンディング曲(固定)Gipsy Kings「Volare」

本放送の補足「お金の役割」

我々は日常的にお金を空気のように当たり前に使っていますから、お金の役割を意識することはほとんどないかもしれません。

金融経済教育においては、お金の役割を学ぶことは、生きる知恵としてとても重要ですので、簡単にご紹介いたしましょう。

交換仲介(取引)商品・サービスの交換をスムーズにし、取引コスト(時間・費用・機会など)を節約する
価値尺度(数値化)商品・サービスに共通の価値基準をあたえる
価値保存(貯蔵)商品・サービスを将来的に買う力(購買力)をキープする

❶ 交換仲介(取引)

例えば、肉屋さんと魚屋さんが、お互いに魚と肉を欲しがっていたとして、お互いが交換するとします。「肉屋さんは肉の在庫があり、魚屋さんには魚の在庫がない」というように、その場で交換できない場合に、お金が役にたちます。肉屋さんは魚を受け取れないかわりに、お金を受け取ります。

魚屋さんは肉を受け取るかわりに、お金を支払います。お互い欲しいものが受け取れたわけではありませんが、肉と魚を交換するということを前提にした取引を、お金があることで成立させることができました。

このようにお金のやりとりが発生したことで、肉と魚を交換する約束が成立しました。肉屋さんはお金を受け取ったことで、将来的に魚を手に入れる権利を手に入れ、魚屋さんはお金を支払ったことで、将来的に魚を渡す義務が発生したことになります。

これが、簿記などでいうところの「貸借関係」です。権利と義務が、取引によってお互いに成立したわけです。日常生活における取引とは、このような貸借関係の連鎖で成り立っており、簿記の仕訳の連続でもあります。

また、肉屋さんは権利を行使せず、将来的に魚を買うためにお金を払うことを放棄してもOKです。魚屋さんは魚を渡す義務を果たさず、お金を受け取らなくてもOKです。

このように、商品・サービスの取引が完全に成立するまでには、一般的にタイムラグがあることがほとんどです。お金があることで、スムーズに取引しやすくなるのです。

❷ 価値尺度(数値化)

肉屋さんと魚屋さんはお互い公平な取引がしたいと思っています、損する取引はしたくはありません。そこで同じ価値分を交換するとしましょう。

肉と魚は形も大きさも重さも味も、違いがありすぎますから、どれくらいの量が同じ価値なのか、よくわかりませんよね。

そこでお金の登場です。

お金で数値化することで、肉と魚、それぞれどれくらいの量が同じ価値になっているのかを共通化してくれます。これでお互いに不平不満がでない取引をしやすくなります。

❸ 価値保存(貯蔵)

肉屋さんと魚屋さんは、お互いにいつも在庫があると保証できませんし、足りなくなったらすぐに仕入れられるともかぎりません。

手に入れたい肉や魚が調達できるまで、お金を貯金箱などにいれておいて、在庫が入ったら手に入れることもできます。将来、肉や魚を手に入れられる権利を行使しないままにもできます。

このようにして、将来の購買力をキープすることができるわけです。

本放送の補足「税金の役割」

税金に対する考え方には諸説ありますが、僕が一番好きな解釈を本放送ではご紹介しました。「景気の自動安定化装置」(ビルトイン・スタビライザー)というものです。

ここでは、別の考え方をご紹介します。

税金は「財源ではない」

我々には憲法に定められた通り、納税の義務があり、税金には様々な役割がありますが、「我々の税金はあらゆるところに使われています」というような、「税金は財源である」という考え方は、実は間違っているのです。

我々の国家予算は、新年度になると翌年度の予算編成の流れが始まります。各省庁→財務省→政府→国会という流れで予算が決まっていきます。

一方、税金が決まるのは基本的には確定申告の時です。予算が決まるのが先で、後から納税額が決まりますから、正確には税金は税源にはなっていません。

ではなにが財源になっているのか?

それは予算をベースにした、国債などの政府が発行する債券です。先に政府が国債発行という支出をすることで、世の中にお金が循環するしくみになっています。

つまり、徴収した税金を財源として、国家がお金を使っているのではなく、先にお金を使っているのです。このような考え方が「スペンディング・ファースト」(支出が先)です。

税金は「レンタル料」

税金が財源ではないとしたなら、そもそも税金とは何なのでしょうか?

本放送ではご紹介しませんでしたが、税金の役割ではなく、税金とはなにか?という話であれば、僕がいつもお伝えしているのは「レンタル料」ということです。お金を借りた時に支払う利息のようなものです。

我々は一般的には、生まれながらにして日本人であり、日本国民です。誰かに許可してもらうとか、認められるとかは関係なく、生まれた瞬間から日本国のリソース(自己資源)を活用する権利を与えられています。

一般的な税金のイメージは、まさにこのリソースを活用させてもらい、経済成長や自己実現につながったことに対するお返し、レンタル料です。

日本のリソースは誰かに許可されることなく使えますし、レンタル料は先に払うのではなく後から払いますので、社会への参加チケットや、なにかの会費でもありません。

もっとシンプルに生まれた時から、そして自力で稼げるようになってから、社会人になってから、税金を負担できる状態になってから、そこから返していけば良いですよ、というレンタル料です。

また、前述の「お金の役割」でもご紹介しましたが、お金のやり取りは「貸借関係」「権利義務」を表していますので、納税する(レンタル料を払う)ということは、借りていた日本のリソース(自己資源)を、納税でいったんは返済することになります。

貸借関係が解消される、清算されるということは、その経済活動の分がいったん清算され、世の中からお金が消えることになります。

国家戦略や世界情勢、世の中の需要に基づいて国債が発行され、それによって生み出されたお金(正確には「貨幣」)は、納税によって消滅することで、一生を終えていくのです。これがお金がどうやって生まれ、どうやって消えていくのかを表した「お金の一生」というストーリーです。

以上、ラジオの本放送の補足となりました。

過去にも、何年も前からお伝えしてきたことをまとめたものばかりで新鮮味はないかもしれませんが、なかなかラジオでは話すことが限られますので、ここで補足させていただきました。

この補足を読んでいただいてから、本放送を視聴していただくと、また異なる印象をもっていただけるのかもしれませんので、ぜひまたご視聴ください!

バックナンバー❶FMサルース

▼音声のみはこちらから、1.25倍速でどうぞ

バックナンバー❷かわさきFM

通称「ゼロ飲み」(ZERONOMI)は、元手0円で始められる積立投資の方法をお伝えする番組です。

毎月第1火曜日14:00~14:30
かわさきFM(79.1MHz)『Catch The Dream』内にてお届けしています。

視聴にはアプリ「リスラジ」から、「チャンネル」⇒「関東」⇒「かわさきFM」を選択してご利用ください。※PCからも同様にご視聴いただけます。

※ラジオ局より特別な許可をいただき、楽曲を削除、内容編集したものを限定公開しております。

『ゼロ飲み』誕生秘話

さて、あなたはこんな疑問というか、漠然とした違和感を感じたことはありますか?

お金のセミナーや勉強会、研修などで投資を学んでも、点と点がつながるような感覚がなく、なんかイマイチ理解できない。

まさにそうなんですよね。

FPは「人生とお金の話」をあなたに教える立場にありますから、ライフプランの作り方や、金融のこと、金融商品の選び方などの知識・ノウハウをよくお伝えしてきました。

ところが、もっと根本的な我々の経済の話や、この世の中で起こっていることなども同時に学んでいかないと、より小さな金融知識と、大きな視点の経済などの知識がリンクしないために、実感として理解にしくいのです。

とはいえ、我々FP側も実はこれまで、経済などの話はあまり教えてこなかったし、教えられる人も少なかったんです。

そこで、すでに活動されている諸先輩がたを見習い、私もFPや金融の枠を超えて活動し始めております。

そして私は、元証券マンですから、文字通り0円で飲みに行く話をしたいわけではもちろんなく、いままで毎日特殊な訓練を受けてきたことのごく一部と、その後他業界からみてきた世界を、この「ゼロ飲み」を通じて、リスナーの皆さまにわかりやすくお届けしたいと思い、ラジオを活用させてもらっております。

リスナーの皆さまにお伝えしたいことは、大きく3つあります。

1⃣ 0円投資を通じて、積立てによる少額投資をひろめたい

iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAと同時に、0円投資を試しながら少額投資を実際にやってみて、リアルな投資を体感してほしい。

2⃣ 0円投資を通じて、積立文化を醸成していきたい

積立文化」とは、我々が日常生活のなかでまず先に消費・支出をすること(スペンディング・ファースト)で、それが積立投資に限らず、研究開発・技術開発・設備投資・人材投資なども含めた投資を促し、生産活動や貯蓄(資産を蓄えること)につながってゆくことを理解し、先人たちの遺産というバトンを、我々が将来世代へ継承していくこと。

3⃣ 0円投資を通じて、経済のダイナミズムとメカニズムの面白さを知ってもらいたい

金融を人間の血液に例えると、経済や遺産は骨や筋肉などであり、政治や経営は脳みそであり、歴史祖先から受継いだ遺伝子や、体に刻まれたシワなどの歳を重ねた証です。
積立投資に直結する金融だけの話ではなく、より大きな経済や政治、歴史なども楽しく賢く学び、より能動的に積立投資を継続し続けてほしい。

このような想いもこめて、公共のラジオでお届けしております。

ご興味あるかたはぜひ、ご視聴いただけるととても嬉しいです!

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